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第5章 (ガラチヤ書)

第三篇 實用的訓戒。
 第一項 自由を奴隷の身分に更ふべからず。

1 毅き然ぜんとして再ふたたび奴ど隷れいの軛くびきに制せいせらるること勿なかれ。 2 然さて我われパウロ汝なんぢ等らに斷だん言げんす、若もし割かつ禮れいを受うけなば、キリストは聊いささかも汝なんぢ等らに益えきあらざるべし。 3 我われは又また更さらに、総すべて割かつ禮れいを受うくる人ひとに證しょう明めいす、彼かれは悉ことごとく律りっ法ぱふを守まもるべき負ふ債さいあり。 4 律りっ法ぱふによりて義ぎとせられんとする人々ひとびとよ、汝なんぢ等らはキリストを離はなれたるなり、恩おん寵ちょうより墮だ落らくせるなり。 5 我われ等らは即すなはち[聖せい]靈れいを以もって信しん仰かうに由よりてこそ義ぎの希き望ばう[する所ところ]を待まてるなれ。 6 蓋けだしキリスト、イエズスに於おいて價か値ちあるは割かつ禮れいに非あらず無む割かつ禮れいに非あらず、愛あいを以もって働はたらく所ところの信しん仰かう是これなり。
7 汝なんぢ等らは能よく走はしり居ゐたりしものを、誰たれか眞しん理りに從したがはせじとて妨さまたげしぞ、 8 斯かかる勸すすめは汝なんぢ等らを召めし給たまふものより出いでず、 9 少すこしの酵たねは麪ぱんの全ぜん體たいを腐ふ敗はいせしむ、 10 我わが汝なんぢ等らに就つき主しゅによりて希き望ばうする所ところは、汝なんぢ等らが別べつ意いなからん事こと是これなり。然されど誰たれにもあれ汝なんぢ等らを擾みだす人ひとは、其その罪つみを負おふべし。 11 兄きゃう弟だい等たちよ、我われもし尚なほ割かつ禮れいの事ことを宣のべ傳つたふるならば、何なんぞ迫はく害がいを受うけつつあらんや。果はたして然しからば、十じふ字じ架かに躓つまづく事ことは歇やみたるならん。 12 願ねがはくは汝なんぢ等らを惑まどはす人々ひとびとの截きり除のぞかれん事ことを。
13 蓋けだし兄きゃう弟だい等たちよ、汝なんぢ等ら旣すでに召めされて自じ由いうを得えたれば、其その自じ由いうを肉にくの機き會くわいとして與あたふる事ことなく、(靈れいの)愛あいを以もって互たがひに事つかへよ。 14 其そは、「汝なんぢ近ちかき者ものを己おのれの如ごとく愛あいすべし」、との一いち言ごんに於おいて、律りっ法ぱふは悉ことごとく全まったうせらるればなり。 15 然されど汝なんぢ等らもし互たがひに相あひ咬かみ相あひ食はまば、互たがひに亡ほろぼされざる様やう用よう心じんせよ。 16 我われは言いはん、靈れいに從したがひて歩あゆめ、然しからば肉にくの慾よくを行おこなふまじ。 17 蓋けだし肉にくの望のぞむ所ところは靈れいに反はんし、靈れいの望のぞむ所ところは肉にくに反はんす、其その相あひ戻もとるは汝なんぢ等らが欲ほっする所ところを悉ことごとく爲なさざらん爲ためなり。 18 汝なんぢ等ら若もし靈れいに導みちびかるれば、律りっ法ぱふの下もとに在あらず。 19 然さて肉にくの業わざは顕あらはなり、即すなはち私し通つう、不ふ潔けつ、猥わい褻せつ、邪じゃ淫いん、 20 偶ぐう像ざう崇すう拜はい、魔ま術じゅつ、怨恨うらみ、爭闘あらそひ、嫉妬ねたみ、憤怒はらだち、喧けん嘩くわ、擾ぜう亂らん、異い説せつ、 21 猜忌そねみ、殺人ひとごろし、酩酊めいてい、饕たう食しょく等など是これなり。旣すでに豫あらかじめ汝なんぢ等らに告つげし如ごとく今いまも言いひ置おく、斯かかる事ことを爲なす人ひとは神かみの國くにを得えざるべし。 22 然しかるに靈れいの好かう果くわは、(愛あい)、喜よろこび、平へい安あん、堪かん忍にん、慈じ惠けい、善ぜん良りゃう、(忍にん耐たい)、 23 温をん良りゃう、眞しん實じつ、謹きん愼しん、節せっ制せい、貞てい操さうなり、斯かかるものに向むかひては律りっ法ぱふある事ことなし。 24 夫それキリストのものたる人々ひとびとは、己おのが肉にく身しんを其その惡あく德とく及および諸しょ慾よくと共ともに十じふ字じ架かに釘つけたるなり。 25 我われ等ら若もし靈れいによりて活いきなば、又また靈れいによりて歩あゆむべし。 26 虛きょ榮えいを好このみて相あひ挑いどみ相あひ猜そねむ者ものと成なること勿なかれ。