26_03

第12章 (ロマ書}

第二編 倫理上の事。
 第一項 キリスト的生活の勸告。
  第一款 キリスト信者相互の義務。

1 然されば兄きゃう弟だい等たちよ、我われ神かみの諸もろもろの恤あはれみに由よりて汝なんぢ等らに勸すすむ。汝なんぢ等ら其その肉にく身しんを以もって、活いける、聖せいなる、神かみの御み意こころに適かなへる犠ぎ牲せい、己おのが道だう理り的てき禮れい拜はいとして供そなへよ。 2 又また此この世よに倣ならひ從したがふ事ことなく、却かへって神かみの御み旨むね、即すなはち善ぜんと御み意こころに適かなふ事ことと完くわん全ぜんとの如何いかなるものなるかを曉さとらん爲ため、精せい神しんを一いっ新しんして自みづから改かい革かくせよ。
3 蓋けだし我われ賜たまはりたる恩おん寵ちょうによりて、汝なんぢ等らの中うちに在ある凡すべての人ひとに謂いはん、己おのれを重おもんずべき程てい度ど以い上じゃうに重おもんぜず、適てき宜ぎに、而しかも神かみの夫々それぞれ分ぶん配ぱいし給たまひし信しん仰かうの量はかりに從したがひて重おもんぜよ。 4 蓋けだし我われ等らは一ひとつの體からだに多おほくの肢えだありて、凡すべての肢えだ其その用ようを同おなうせざるが如ごとく、 5 我われ等ら多おほくの人ひとは、キリストに於おいて一ひとつの體からだにして、各おのおの互たがひに肢えだたるなり。
6 然されば我われ等らに賜たまはりたる恩おん寵ちょうに從したがひて賜たまものを異ことにしたれば、預よ言げんは信しん仰かうの理りに隨したがひて爲なし、 7 聖せい役えきは聖せい役えきに[從じう事じし]、敎をしふる人ひとは敎をしへに[止とどまり]、 8 勸すすめを爲なす人ひとは勸すすめを爲なし、與あたふる人ひとは淡たん白ぱくを以もってし、司つかさどる人ひとは奮ふん發ぱつを以もってし、慈じ悲ひを施ほどこす人ひとは歡よろこびを以もってすべし。
9 愛あいは表へう裏りあるべからず、汝なんぢ等ら惡あくを嫌いとひて善ぜんに就つき、 10 兄きゃう弟だいの愛あいを以もって相あひ寵いつくしみ、互たがひに相あひ推すゐ重ちゃうし、 11 注ちゅう意いを怠おこたらず、熱ねっ心しんにして主しゅに事つかへ、
12 希き望ばうによりて歡よろこび、患くわん難なんに忍にん耐たいし、絶たえず祈き禱たうに從じゅう事じし、 13 聖せい徒との入いり用ようを補たすけ、接せっ待たいを行おこなひ、 14 汝なんぢ等らを迫はく害がいする人ひとを祝しゅくせよ、祝しゅくして詛のろふこと勿なかれ。 15 喜よろこぶ人々ひとびとと共ともに喜よろこび、泣なく人々ひとびとと共ともに泣なき、 16 心こころを相あひ同おなじうし、高たかきを思おもはずして低ひくきに甘あまんじ、自みづから智かしこしとすること勿なかれ。 17 如何いかなる人ひとにも惡あくを以もって惡あくに報むくゆる事ことなく、啻ただに神かみの御み前まへのみならず、衆しゅう人じんの前まへにも善ぜんなる事ことを圖はかり、 18 汝なんぢ等らが力ちからの及およびぶ限かぎりり、爲なし得うべくんば衆しゅう人じんと相あひ和わせよ。 19 至し愛あいなる者ものよ、自みづから復ふく讐しうせずして[神かみの]怒いかりに任まかせよ、其そは録かきしるして、「主しゅ曰いはく、復ふく讐しうは我わが事ことなり、我われは報むくいん」とあればなり。 20 却かへって汝なんぢの讐あだ飢うゑなば之これに食しょくせしめ、渇かわかば之これに飮のましめよ。斯かくすれば汝なんぢ彼かれの頭かうべに燃もえ炭ずみを積つむならん、 21 惡あくに勝かたるる事ことなく、善ぜんを以もって惡あくに勝かて。