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第5章 (ロマ書}

  第三款 キリストによる義の充滿せる事。

1 然されば我われ等らは信しん仰かうに由よりて義ぎとせられ、我わが主しゅイエズス、キリストを以もって神かみと和わ睦ぼくしたるなり。 2 又また彼かれを以もって、信しん仰かうによりて今いま立たてる所ところの恩おん寵ちょうに至いたる事ことを得えて、神かみの(子こ等どもの)光くわう榮えいの希き望ばうを以もって誇ほこりと爲なす。 3 加之しかのみならず我われ等らは又また患くわん難なんに在ある事ことを誇ほこりとす、其そは患くわん難なんは忍にん耐たいを生しゃうじ、 4 忍にん耐たいは練れん達たつを生しゃうじ、練れん達たつは希き望ばうを生しゃうずるを知しればなり。 5 抑そもそも希き望ばうは恥はぢを來きたさず、蓋けだし我われ等らに賜たまはりたる聖せい靈れいを以もって、神かみの愛あいは我われ等らの心こころに注そそがれたるなり。
6 即すなは我われ等らが尚なほ弱よわかりしに、キリストが時とき至いたりて不ふ敬けい者しゃの爲ために死しし給たまひしは何なんぞや。 7 夫それ義ぎ人じんの爲ために死しする者ものは稀まれなり、誰たれか敢あへて善ぜん人にんの爲ために死しなんや。 8 然しかるに神かみが我われ等らに對たいして其その愛あいを著いちじるしく顕あらはし給たまふは、我われ等らが尚なほ罪つみ人びとたりしに時とき至いたりて 9 キリスト我われ等らの爲ために死しし給たまひしを以もってなり。然されば今いまや我われ等らは其その御おん血ちを以もって義ぎとせられたれば、尚なほ彼かれに由よりて怒いかりより救すくはるべきなり。 10 蓋けだし我われ等らは敵てきなりしを御おん子この死しによりて神かみと和わ睦ぼくしたる者ものなれば、況いはんや和わ睦ぼくしたる後のちは彼かれの生せい命めいに由よりて救すくはるべきをや。 11 加之しかのみならず、我われ等らは又また今いま和わ睦ぼくを得えさせ給たまひし我わが主しゅイエズス、キリストに由よりて、神かみを以もって誇ほこりと爲なす。

  第四款 キリストとアダンとの比較。

12 然されば一人ひとりに由よりて罪つみ此この世よに入いり、又また罪つみに由よりて死しの入いりし如ごとく、人ひと皆みな罪つみを犯をかしたるが故ゆゑに死し総すべての上うへに及およびべるなり。 13 蓋けだし律りっ法ぱふの出いづる迄までは、罪つみは世よに在ありしかど、律りっ法ぱふなきを以もって罪つみとせざれざりき。 14 然しかりながら、アダンよりモイゼに至いたる迄まで、アダンの犯はん罪ざいの如ごとき罪つみを犯をかさざりし人々ひとびとにも死しは王わうたりき。抑そもそもアダンは將しゃう來らいのアダンの前ぜん表ぺうなり。
15 然されど罪つみと賜たまものとは均ひとしからず、即すなはち一人ひとりの罪つみに因よりて死ししたる者ものは多おほけれども、神かみの恩おん寵ちょうと一人ひとりのイエズス、キリストの惠めぐみとに由よれる賜たまものは、況いはんて多おほくの人ひとに溢あふれたるなり。 16 又また賜たまものと一ひとつの罪つみの結けっ果くわとは均ひとしからず、即すなはち審しん判ぱんは一ひとつの罪つみよりして、有いう罪ざいの宣せん告こくに至いたりしに、賜たまものは多おほくの罪つみより義ぎとするに至いたれるなり。 17 蓋けだし一人ひとりの罪つみの爲ために、死しは其その一人ひとりよりして王わうとなりたれば、況いはんて溢あふるる程ほどの恩おん寵ちょうと義ぎの賜たまものとを蒙かうむる人々ひとびとは、一人ひとりのイエズス、キリストに由よりて、生せい命めいに於おいて王わうとなるべし。 18 然されば一人ひとりの犯はん罪ざいを以もって一切いっさいの人間にんげんまで有いう罪ざいの宣せん告こくを受うくるに至いたりし如ごとく、一切いっさいの人間にんげんは一人ひとりの義ぎを以もって義ぎとせられ生せい命めいを得うるに至いたれるなり。 19 蓋けだし一人ひとりの不ふ從じゅう順じゅんに由よりて多おほくの人ひとが罪つみ人びととせられし如ごとく、亦また一人ひとりの從じゅう順じゅんに由よりて多おほくの人ひとは義ぎ人じんとせらるべし。 20 律りっ法ぱふ入いり來きたりて罪つみ增まししかど、罪つみの增ましし處ところには恩おん寵ちょう彌いや增ませり。 21 是これ罪つみが死しを以もって王わうとなりし如ごとく、恩おん寵ちょうも亦また我わが主しゅイエズス、キリストに由よりて義ぎを以もって王わうとなり、永えい遠ゑんの生せい命めいに至いたらしめん爲ためなり。