26_02

第89聖詠

1 神かみの人ひとモイセイの祈き禱たう。 2 主しゅよ、爾なんぢは世よ世よに我われ等らの避所かくれがたり。 3 山やま未いまだ生しゃうぜず、爾なんぢ未いまだ地ちと全ぜん世せ界かいとを造つくらざる先さき、且かつ世よより世よまでも爾なんぢは神かみなり。 4 爾なんぢ人ひとを塵ちりに歸かへらしめて曰いふ、人ひとの子こよ、歸かへれと。 5 蓋けだし爾なんぢが目めの前まへには、千せん年ねんは過すぎし昨さく日じつの如ごとく、夜や間かんの更かうの如ごとし。 6 爾なんぢは大おほ水みずの如ごとく彼かれ等らを流ながす、彼かれ等らは夢ゆめの如ごとく、朝あさに生おふる草くさの如ごとし、朝あさには花はなさきて且かつ靑あをし、暮くれには刈かられて稿かる。 7 蓋けだし我われ等らは爾なんぢの怒いかりに因よりて消きえ、爾なんぢの憤いきどほりに因よりて惶おそれ惑まどふ。 8 爾なんぢは我われ等らの不ふ法はふを爾なんぢの前まへに置おき、我われ等らの隱かくれたる事ことを爾なんぢが顏かんばせの光ひかりの前まへに置おけり。 9 我われ等らが悉ことごとくの日ひは爾なんぢが怒いかりの中うちに過すぎ、我われ等らは我わが歳としを失うしなふこと音おとの如ごとし。 10 我わが歳としの數かずは七しち十じふ年ねん、或あるひは健すこやかなれば八はち十じふ年ねんなり、其その間あひだの壮さかんなる時ときも、劬く勞らうと疾病やまひあり、蓋けだし其その過すぐること速すみやかにして、我われ等ら飛とび去さる。 11 誰たれか爾なんぢが怒いかりの力ちからを知しり、又また爾なんぢを畏おそるる度ほどに依よりて爾なんぢの憤いきどほりを識しらん。 12 願ねがはくは我われ等らに我わが日ひを算かぞふることを教をしへて、智ち慧ゑの心こころを獲えしめ給たまへ。 13 主しゅよ、面おもてを回かへせ、何いづれの時ときに至いたるか、爾なんぢの僕ぼくを憐あはれみ給たまへ。 14 夙つとに爾なんぢの憐あはれみを以もって我われ等らに飽あかしめよ、然しかせば我われ等ら生しゃう涯がい歡よろこび樂たのしまん。 15 爾なんぢ我われ等らを撲うちし日ひ、我われ等らが禍わざはひに遭あひし年としに代かへて、我われ等らを樂たのしましめ給たまへ。 16 願ねがはくは爾なんぢの工作わざは爾なんぢの諸しょ僕ぼくに著あらはれ、爾なんぢの光くわう榮えいは其その諸しょ子しに著あらはれん、 17 願ねがはくは主しゅ吾わが神かみの惠めぐみは我われ等らに在あらん、願ねがはくは我わが手ての工作わざを我われ等らに助たすけ給たまへ、我わが手ての工作わざを助たすけ給たまへ。