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第15章 (コリント前書}

第四編 敎理の問題と復活の事。
 第一項 復活を證す。

1 兄きゃう弟だい等たちよ、我わが旣すでに傳つたへし所ところの福音ふくいんを今いま更さらに汝なんぢ等らに告つぐ、汝なんぢ等らは曩さきに之これを受うけて尚なほ之これに據よりて立たてり、 2 若もし徒いたづらに信しんじたるに非あらずして、我わが傳つたへし儘ままに之これを守まもらば、汝なんぢ等らは之これによりて救すくはるるなり。
3 即すなはちわが第だい一いちに汝なんぢ等らに傳つたへしは、我われ自みづからも受うけし事ことにて、キリストが聖せい書しょに應おうじて我われ等らの罪つみの爲ために死しし給たまひし事こと、 4 葬はうむられ給たまひし事こと、聖せい書しょに應おうじて三みっ日か目めに復ふく活くわつし給たまひし事こと、 5 ケファに顕あらはれ給たまひ、其その後のち又また十二使し徒とに顕あらはれ給たまひし事こと、是これなり。 6 次つぎに五百人にん以い上じゃうの兄きゃう弟だいに一いち度どに顕あらはれ給たまひしが、其その中うちには永えい眠みんしたる者ものあれども、今いま尚なほ生いき存ながらふる者もの多おほし。 7 次つぎにヤコボに顕あらはれ、次つぎに凡すべての使し徒とに顕あらはれ、 8 最さい終しゅうには月つき足たらぬ者ものの如ごとき我われにも顕あらはれ給たまへり。 9 蓋けだし我われは神かみの敎けう會くわいを迫はく害がいせし者ものなれば、使し徒と中ちゅうの最もっともも小ちひさき者ものにして、使し徒とと呼よばるるに足たらず。 10 然しかるに我わが今いまの如ごとくなるは、是これ神かみの恩おん寵ちょうに由よれるなり、斯かくて其その恩おん寵ちょうは我われに於おいて空むなしからず、我われは彼かれ等ら一同いちどうよりも多おほく働はたらけり。然されども是これ我われに非あらず、神かみの恩おん寵ちょう我われと共ともに爲せる所ところなり。 11 即すなはち我われにまれ彼かれ等らにまれ、我われ等らは斯かくの如ごとく宣のべ傳つたへ、汝なんぢ等らも亦また斯かくの如ごとく信しんじたるなり。
12 然さてキリスト死し者しゃの中うちより復ふく活くわつし給たまへりと宣のべ傳つたふるに對たいして、死し者しゃの復ふく活くわつする事ことなしと云いふ人々ひとびと、汝なんぢ等らの中うちに在あるは何なんぞや。 13 死し者しゃの復ふく活くわつする事ことなくば、キリストも復ふく活くわつし給たまはざるべし。 14 若もしキリスト復ふく活くわつし給たまはざりしならば、我われ等らの宣せん敎けうは空むなしく、汝なんぢ等らの信しん仰かうも亦また空むなしく、 15 而しかも我われ等らは神かみの僞ぎ證しょう人にんと成なるべし。其そは死し者しゃにして復ふく活くわつせざる者ものならば、キリストを復ふく活くわつせしめ給たまはざりしものを、我われ等らは神かみに反はんして之これを復ふく活くわつせしめ給たまへりと證しょうしたればなり。 16 蓋けだし死し者しゃにして復ふく活くわつする事ことなければ、キリストも復ふく活くわつし給たまひし事ことなし。 17 キリスト復ふく活くわつし給たまひし事ことなければ、汝なんぢ等らの信しん仰かうは空むなし、其そは汝なんぢ等ら尚なほ罪つみに在あればなり。 18 然しからばキリストに於おいて永えい眠みんしたる人々ひとびとも亡ほろびたるならん。 19 我われ等らがキリストに於おける希き望ばう若もし此この世よのみならば、我われ等らは凡すべての人ひとよりも憫然あはれなる者ものなり。
20 然されど現げんに、キリストは永えい眠みんせる人々ひとびとの初はつ穗ほとして、死し者しゃの中うちより復ふく活くわつし給たまひしなり。 21 蓋けだし死しは人ひとに由よりて來きたり、死し者しゃの復ふく活くわつも亦また人ひとに由よりて來きたれり。 22 一切いっさいの人ひとアダンに於おいて死しするが如ごとく、一切いっさいの人ひと亦またキリストに於おいて復ふく活くわつすべし。 23 但ただ各おのおの其その順じゅん序じょに從したがひて、初はつ穗ほはキリスト、次つぎは其その降かう臨りんの時ときキリストのものたる人々ひとびと、 24 次つぎは終をはりにして、キリスト父ちちにて在まします神かみに國くにを付わたし給たまひて、一切いっさいの權けん威ゐ、權けん能のう、權けん力りょくを亡ほろぼし給たまひたらん時ときなり。 25 彼かれ凡すべての敵てきを御おん足あしの下したに置おき給たまふ迄までは、王わうたらざるを得えざるなり。 26 最さい終しゅうに亡ほろぼさるべき敵てきは死しなり、是これ神かみはキリストの御おん足あしの下したに萬ばん物ぶつを服ふくせしめ給たまひたればなり。 27 萬ばん物ぶつ之これに服ふくせりと曰いへば、萬ばん物ぶつを服ふくせしめ給たまへるものは其その數かずに入いらざる事こと疑うたがひなし。 28 萬ばん物ぶつ己おのれに服ふくするに至いたらば、御おん子こ自みづからも亦また、己おのれに萬ばん物ぶつを服ふくせしめ給たまひしものに服ふくし給たまふべし、是これ神かみは萬ばん物ぶつに於おいて萬ばん事じとなり給たまはん爲ためなり。
29 若もし然しからずして、死し者しゃ全まったく復ふく活くわつする事ことなくば、死し者しゃの代かはりに洗せんせらるる人々ひとびとは何なにとかすべき、彼かれ等らが死し者しゃの代かはりに洗せんせらるるは何なに故ゆゑぞ。 30 又また我われ等らも時じ々じ刻こく々こく危き険けんに遇あへるは何なんの爲ためぞ。兄きゃう弟だい等たちよ、我われは我わが主しゅイエズス、キリストに於おいて、汝なんぢ等らに就つきて我わが[受うくべき]名めい譽よを指さして誓せい言ごんす、 31 我われは日々にちにち死しの危き険けんに遇あふなり。 32 我われ唯ただ人ひとの如ごとくにしてエフェゾに獸けものと闘たたかひしならば、我われに何なんの益えきかあらん。死し者しゃ果はたして復ふく活くわつせずば、我われ等らいざ飮のみ食くひせん、其そは明あ日す死しぬべければなり。
33 汝なんぢ等ら欺あざむかるる事こと勿なかれ、惡あしき交際まじはりは善よき風ふう俗ぞくを腐ふ敗はいせしむ。 34 汝なんぢ等ら誠せい實じつに警けい戒かいして罪つみを犯をかす事こと勿なかれ。我わが言いふ所ところ汝なんぢ等らの面めん目ぼくを傷きづつくれども、汝なんぢ等らの中うちに神かみを知しらざる者ものあるなり。

 第二項 復活に關する難問に答ふ。

35 然しかれども人ひと或あるひは云いはん、死し者しゃ如何いかにして復ふく活くわつすべきか、如何いかなる體からだを以もって來きたるべきか、と。 36 愚おろかなる者ものよ、汝なんぢの蒔まくものは先まづ死しなざれば活いくること無なし、 37 又また其その蒔まくは將しゃう來らいあるべき體たいを蒔まくに非あらず、假令たとひば麥むぎ等などの凡すべの種たね粒つぶのみ。 38 斯かくて神かみは思おぼし召めしす儘ままに之これに體たいを與あたへ、各おのおのの種たねに固こ有いうの體たいを與あたへ給たまふ。 39 凡すべての肉にくは同おなじ肉にくに非あらず、人ひと肉にくあり、獸じう肉にくあり、鳥てう肉にくあり、魚ぎょ肉にくありて各おのおの相あひ異ことなり。 40 又また天てん體たいあり、地ち上じゃうの體たいあり、然されど天てん上じゃうのものと地ち上じゃうのものとの光くわう澤たくは相あひ異ことなり。 41 日ひの輝かがやきも、月つきの輝かがやきも、星ほしの輝かがやきも異ことにして、星ほしと星ほしとは輝かがやきによりて相あひ異ことなり。
42 死し者しゃの復ふく活くわつも亦また然しかり。[身しん體たいは]腐ふ敗はいに於おいて蒔まかれ、不ふ朽きうを以もって復ふく活くわつせん、 43 卑ひ賤せんに於おいて蒔まかれ、光くわう榮えいを以もって復ふく活くわつせん、虛きょ弱じゃくに於おいて蒔まかれ、力ちからを以もって復ふく活くわつせん、 44 動どう物ぶつ的てき身しん體たいに蒔まかれ、靈れい的てき身しん體たいに復ふく活くわつせん。動どう物ぶつ的てき身しん體たいあれば、靈れい的てき身しん體たいもあり、録かきしるして、 45 「第だい一いちの人ひとアダンは活いける魂たましひとせられたり」、とあるが如ごとく、最さい後ごのアダンは活いかす靈れいとせられたり。 46 始はじめよりあるは靈れい的てきのものに非あらず、動どう物ぶつ的てきのものにして、靈れい的てきのものは後のちに在あり。 47 第だい一いちの人ひとは土つちより出いでて土つちに屬ぞくし、第だい二の人ひとは天てんより出いでて天てんに屬ぞくす。 48 土つちに屬ぞくする人々ひとびとは土つちに屬ぞくせる彼かのものの如ごとく、天てんに屬ぞくする人々ひとびとは天てんに屬ぞくせる彼かのものの如ごとし。 49 然されば我われ等らは土つちに屬ぞくするものの形かたちを帶おびし如ごとく、天てんに屬ぞくするものの形かたちをも帶おぶべし。 50 兄きゃう弟だい等たちよ、我われは言いはん、血けつ肉にくは神かみの國くにを嗣つぐ能あたはず、又また腐ふ敗はいは不ふ朽きうを得うべからず、と。 51 看みよ、我われ汝なんぢ等らに奥おく義ぎを語かたらん、我われ等らは皆みな永えい眠みんすべきに非あらざれども、皆みな變へん化くわすべき者ものなり。 52 即すなはち倐忽たちまちの間あひだ、瞬またたく間ひま、終をはりの喇叭らっぱの鳴ならん時とき、蓋けだし喇叭らっぱは鳴なるべく、死し者しゃは不ふ朽きうの者ものに復ふく活くわつすべく、我われ等らも變へん化くわすべきなり。 53 其そは此この腐ふ敗はいすべきもの不ふ朽きうを帶おび、此この死しすべきもの不ふ死しを帶おぶべければなり。 54 此この死しすべきもの不ふ死しを帶おびたらん時とき、録かきしるされたる言ことばは成じゃう就じゅせん、[曰いはく]、「死しは勝しょう利りに呑のまれたり」、 55 「死しよ、汝なんぢの勝しょう利りは何處いづこにかある、死しよ、汝なんぢの針はりは何處いづこにかある」と。 56 而しかして死しの針はりは罪つみなり、罪つみの力ちからは律りっ法ぱふなり、 57 我わが主しゅイエズス、キリストを以もって我われ等らに勝しょう利りを賜たまひたる神かみに感かん謝しゃし奉たてまつる。 58 然されば我わが愛あいする兄きゃう弟だい等たちよ、確かく乎ことして動うごかず、汝なんぢ等らの勞らう働どうが主しゅに於おいて空むなしからざる事ことを覺さとりて、絶たえず力ちからを主しゅの業わざに盡つくせ。