26_01

第3章 (マルコ福音)

1 彼かれ又また會くわい堂だうに入いりしに、彼處かしこに一かた手ての枯なへたる人ひとあり。 2 人人ひとびと彼かれを罪つみせん爲ために、安息日スボタに於おいて斯この人ひとを醫いやすや否いなやを窺うかがへり。 3 彼かれは手ての枯なへたる人ひとに謂いふ、中なかに立たてよ。 4 又また彼かれ等らに謂いふ、安息日スボタには善ぜんを行おこなひ、或あるひは惡あくを行おこなふ、生命いのちを救すくひ、或あるひは之これを滅ほろぼす、孰いづれか宜よろしき、彼かれ等ら默もく然ねんたり。 5 イイスス怒いかりを含ふくみて、彼かれ等らを圜視みまわし、其その心こころの頑かたくななるを憂うれひて、斯この人ひとに謂いふ、爾なんぢの手てを伸のべよ。之これを伸のぶれば、其その手ては健すこやかになりしこと、他たの手ての如ごとし。 6 ファリセイ等ら出いでて直ただちにイロドの黨たうと共ともに、如何いかにして彼かれを滅ほろぼさんと謀はかれり。 7 イイスス門もん徒とと偕ともに出いでて、海うみ辺べに往ゆけり、衆おほくの民たみはガリレヤより、又またイウデヤ、 8 イエルサリム、イドゥメヤ、及およびイオルダンの外そとより彼かれに從したがひ、又またティルとシドンとの辺ほとりに居をる者ものは、其その行おこなひしことを聞ききて、甚はなはだ多おほく彼かれに來きたれり。 9 彼かれは民たみの衆おほきに因よりて、其その門もん徒とに己おのれが爲ために小こ舟ぶねを備そなへん事ことを命めいぜり、人ひとの彼かれに逼せまらざらん爲ためなり。 10 蓋けだし彼かれは多おほくの者ものを醫いやししに因よりて、凡およそ疾わづらひある者ものは彼かれに捫さはらん爲ために擁おし逼せまるに至いたれり。 11 又また汚を鬼きは彼かれを見みし時とき、其その前まへに俯ふ伏ふくして、呼よびて謂いへり、爾なんぢは神かみの子こなり、 12 惟ただ彼かれは之これに己おのれを顯あらはす勿なからんことを嚴きびしく戒いましめたり。 13 遂つひに山やまに登のぼりて、自みづから欲ほっする所ところの者ものを召めしたれば、來きたりて彼かれに就つけり。 14 乃すなはち十じふ二に人にんを立たてたり、彼かれ等らが己おのれと偕ともに居をり、又また之これを遣つかはして、教をしへを傳つたへしめ、 15 且かつ權けんを以もって病やまひを醫いやし、魔ま鬼きを逐おひ出いださしめん爲ためなり。 16 乃すなはちシモン之これをペトルと名なづけたり、 17 ゼウェデイの子こイアコフ、及および其その兄きゃう弟だいイオアン、彼かれ等らをワォアネルゲス、譯やくすれば、雷かみなりの子こと名なづけたり、 18 アンドレイ、フィリップ、ワルフォロメイ、マトフェイ、フォマ、アルフェイの子こイアコフ、ファデイ、シモン「カナニト」、 19 及およびイウダ「イスカリオト」、卽すなはち彼かれを賣うりし者ものなり。 20 彼かれ等ら家いへに入いりしに、民たみ復また集あつまり、彼かれ等ら餅ぱんを食くらふ遑いとまなきに至いたれり。 21 彼かれの親しん属ぞくは聞ききて、彼かれを取とらん爲ために出いでたり、蓋けだし彼かれは狂くるへりと言いへり。 22 又またイエルサリムより下くだれる學がく士し等らは、彼かれはワェエルゼウルに憑よられ、魔ま鬼きの魁かしらに藉よりて、魔ま鬼きを逐おひ出いだすと云いへり。 23 彼かれは之これを召めして、譬たとへを以もって之これに謂いへり、サタナ如何いかんぞサタナを追おひ出いだすを得えん。 24 若もし國くに自みづから分わかれ爭あらそはば、其その國くに立たつ能あたはず、 25 若もし家いへ分わかれ爭あらそはば、其その家いへ立たつ能あたはず、 26 若もしサタナ自みづから攻せめて、分わかれ爭あらそはば立たつ能あたはず、卽すなはち其その終をはり至いたれるなり。 27 人ひと强つよき者ものの家いへに入いりて、其その器うつはものを劫おびやかす能あたはず、必かならず先まづ强つよき者ものを縛しばりて、然しかる後のち其その家いへを劫おびやかさん。 28 我われ誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、凡およその罪つみと褻瀆けがしと、人ひと之これを以もって瀆けがさば、人ひとの諸しょ子しに赦ゆるされん、 29 然しかれども聖せい神しん゜を瀆けがさん者ものは世よ世よに赦ゆるされず、乃すなはち永遠えいゑんの定てい罪ざいに干あづからん。 30 斯かく言いへるは、人人ひとびとが彼かれは汚を鬼きに憑よらると言いひし故ゆゑなり。 31 彼かれの母はは及および兄きゃう弟だい來きたりて、外そとに立たち、人ひとを遣つかはして、彼かれを呼よべり。 32 時ときに民たみ彼かれを環めぐりて坐ざせり、或あるひと彼かれに謂いへり、視みよ、爾なんぢの母はは及および爾なんぢの兄きゃう弟だい外そとに在ありて、爾なんぢを尋たづぬ。 33 彼かれは之これに答こたへて謂いへり、孰たれか我わが母はは、或あるひは我わが兄きゃう弟だいたる。 34 乃すなはち環めぐり坐ざせる者ものを圜視みまわして曰いはく、是これ我わが母はは、及および我わが兄きゃう弟だいなり、 35 蓋けだし神かみの旨むねを行おこなはん者ものは、其その人ひと卽すなはち我わが兄きゃう弟だい、我わが姉し妹まい及および母ははなり。

No comments: