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第77聖詠

第十一カフィズマ
アサフの教けう訓くん。
1 我わが民たみよ、我わが法はふを聽きき、爾なんぢの耳みみを我わが口くちの言ことばに傾かたぶけよ。 2 我われ口くちを啓ひらきて譬たとへを言いひ、古いにしへよりの隱語なぞを述のべん。 3 我われ等らが聞ききし所ところ、我わが列れっ祖そが我われ等らに傳つたへし所ところを、 4 其その子し孫そんに隱かくさずして、主しゅの光くわう榮えいと其その權けん能のうと其その行おこなひし奇き迹せきとを後こう世せいに宣のべん。 5 彼かれは證しょう詞しをイアコフの中うちに立たて、律りっ法ぱふをイズライリの中うちに置おきて、我わが列れっ祖そに之これを其その諸しょ子しに傳つたへんことを命めいじたり、 6 將しゃう來らいの世よ、卽すなはち生うまれんとする諸しょ子しが此これを識しり、其その期きに及およびて之これを亦また其その諸しょ子しに傳つたへん爲ため、 7 彼かれ等らが己おのれの望のぞみを神かみに負おはせ、神かみの作爲しわざを忘わすれず、彼かれの誡いましめを守まもりて、 8 己おのれの列れっ祖そ、卽すなはち頑ぐわん固こ叛ほん逆ぎゃくの世よ、其その心こころ修をさまらず、其その靈たましひ神かみに忠ちゅうならざる者ものに效ならはざらん爲ためなり。 9 エフレムの諸しょ子し、武ぶ具ぐを備そなへ弓ゆみを挽ひく者ものは、戰たたかひの日ひに退しりぞけり。 10 彼かれ等らは神かみの約やくを守まもらず、 11 其その法はふを行おこなふを辞いなみ、其その作爲しわざと其その顯あらはしし奇き迹せきを忘わすれたり。 12 神かみは奇き迹せきを後こう世せい彼かれ等らが列れっ祖その目めの前まへにエギペトの地ちに、ツォアンの野のに行おこなへり、 13 海うみを分わかちて彼かれ等らに此これを過とほらしめ、水みづの壁かべの如ごとく立たてたり、 14 晝ひるは雲くもを以もって彼かれ等らを導みちびき、終夜よもすがら火ひの光ひかりを以もって導みちびけり、 15 石いしを野のに裂さき、彼かれ等らに飮のましめしこと大おほいなる淵ふちよりするが如ごとし、 16 磐いはより流ながれ出いだし、水みづは河かはの如ごとく流ながれたり。 17 然しかれども彼かれ等らは仍なほ其その前まへに罪つみを行おこなひ、至し上じゃう者しゃを野のに慍いきどほらせたり。 18 心こころの中うちに神かみを試こころみ、己おのれの意いに適てきする食しょくを求もとめたり、 19 神かみを侮あなどりりて曰いへり、神かみ豈あに筵えんを野のに設まうくるを得えんや、 20 視みよ、彼かれ石いしを撃うてば水みづ出いで、川かは流ながれたり、彼かれ猶なほ能よく餅ぱんを與あたふるか、能よく己おのれの民たみに肉にくを備そなふるか。 21 主しゅは之これを聞ききて怒いかりを發はっし、火ひはイアコフに燃もえ、怒いかりはイズライリに動うごけり、 22 其その神かみを信しんぜず、彼かれの救すくひを恃たのまざりしに緣よる。 23 彼かれは上うへなる雲くもに命めいじ、天てんの門もんを開ひらき、 24 マンナを雨ふらして彼かれ等らの食しょくとなし、天てんの糧かてを彼かれ等らに與あたへたり。 25 人ひとは天てん使しの糧かてを食くらへり、神かみは食しょくを遣つかはして彼かれ等らに飽あかしめたり。 26 彼かれは東ひがし風かぜを天てんに起おこし、己おのれの能のう力りょくを以もって南みなみ風かぜを引ひき至いたらしめて、 27 彼かれ等らに肉にくを雨ふらすこと塵ちりの如ごとく、飛とぶ鳥とりを雨ふらすこと海うみの砂まさごの如ごとし、 28 之これを其その營えい中ちゅうに、其その住所すまひの四周まはりに墜おとせり、 29 彼かれ等らは食くらひて饜あき足たれり、神かみは彼かれ等らの願ねがふ所ところを予あたへたり。 30 唯ただ彼かれ等らの慾よく未いまだ去さらず、食しょくの尚なほ其その口くちにある時とき、 31 神かみの怒いかりは彼かれ等らに臨のぞみて、其その肥こえたる者ものを戮ころし、イズライリの少わかき者ものを仆たふせり。 32 然しかれども彼かれ等ら仍なほ罪つみを犯おかし、其その奇き迹せきを信しんぜざりき。 33 故ゆゑに神かみは彼かれ等らの日ひを空虛むなしきに、其その歳としを惶擾みだれに終をへしめたり。 34 神かみが彼かれ等らを戮ころす時とき、彼かれ等らは神かみを尋たづねて之これに向むかひ、早さう朝てうより之これに趨はしり附つき、 35 神かみは彼かれ等らの避所かくれが、至し上じゃうの神かみは彼かれ等らを援たすくる者ものなるを記き憶おくし、 36 其その口くちを以もって彼かれに諂へつらひ、其その舌したを以もって彼かれの前まへに譌いつはれり、 37 唯ただ其その心こころ彼かれの前まへに正ただしからず、彼かれ等らは神かみの約やくに誠まことならざりき。 38 然しかれども慈じ憐れんなる神かみは罪つみを赦ゆるして、彼かれ等らを滅ほろぼさず、屢しばしば其その怒いかりを轉てんじて、其その悉ことごとくの憤いきどほりを起おこさざりき、 39 神かみは彼かれ等らが肉にく身しんにして、去さりて返かへらざる気きなるを記き念ねんせり。 40 彼かれ等らは幾いく次たびか彼かれを曠くわう野やに憂うれひしめ、彼かれを荒あれ地ちに慍いきどほらせたり。 41 復また新あらたに神かみを試こころみ、イズライリの聖せいなる者ものを犯おかせり、 42 其その手て、其その彼かれ等らを苦く難なんより救すくひし日ひを憶おもはざりき、 43 卽すなはち神かみは其その休きう徴ちょうをエギペトに、其その奇き迹せきをツォアンの野のに行おこなひし日ひなり。 44 彼かれ等らの河かはと流ながれとを血ちに變へんじて、之これを飮のむ能あたはざらしめたり。 45 蟲むしを遣つかはして彼かれ等らを螫ささしめ、蛙かへるを遣つかはして彼かれ等らを害がいせしめたり。 46 彼かれ等らが地ちの産さんする所ところを螟蛉あをむしに與あたへ、其その苦く勞らうを蝗いなむしに與あたへたり。 47 霰あられを以もって彼かれ等らの葡ぶ萄だうを壞やぶり、雹へうを以もって其その無花果いちじくを壞やぶれり。 48 彼かれ等らの家か畜ちくを霰あられに付わたし、其その牧ぼく群ぐんを電いなづまに付わたせり。 49 彼かれ等らに己おのれの怒いかりの焰ほのほ、憤いきどほりと恨うらみと禍わざはひと、惡あく使し者しゃの群むれを遣つかはせり。 50 己おのれの怒いかりの爲ために途みちを平たひらかにし、彼かれ等らの靈たましひを死しより護まもらず、其その家か畜ちくを疫えき病びゃうに付わたせり。 51 凡およそエギペトの首しゅ生せいの者もの、ハムの幕まくの力ちからの始はじめなる者ものを撃うてり。 52 是ここに於おいて其その民たみを羊ひつじの如ごとく引ひき、之これを牧ぼく群ぐんの如ごとく野のに引ひけり、 53 安あん然ぜんに之これを引ひきて、彼かれ等ら懼おそるるなし、彼かれ等らの敵てきは海うみ之これを覆おほへり。 54 彼かれ等らを引ひきて其その聖せいなる界さかひ、卽すなはち其その右みぎの手ての獲えし所ところの此この山やまに至いたれり。 55 諸しょ民みんを彼かれ等らの面おもてより逐おひ、其その地ちを分わかちて彼かれ等らの業げふとなし、イズライリの支し派はを其その幕まくに居をらしめたり。 56 然しかれども彼かれ等らは猶なほ至し上じゃうの神かみを試こころみて、之これを憂うれひしめ、其その律おきてを守まもらず、 57 彼かれ等らの先せん祖その如ごとく離はなれて叛そむき、歪くるへる弓ゆみの如ごとく翻ひるがへれり。 58 崇邱をかを以もって彼かれを憂うれひしめ、偶像ぐうざうを以もって彼かれの嫉妒ねたみを起おこせり。 59 神かみ聞ききて怒いかりを發はっし、大おほいにイズライリを憤いきどほれり、 60 シロムの住所すまひ、卽すなはち彼かれが人ひと々びとの間あひだに居をりし所ところの幕まくを棄すて、 61 其その力ちからを俘とりこにせしめ、其その光くわう榮えいを敵てきの手てに與あたへ、 62 其その民たみを劔つるぎに付わたし、其その業げふに怒いかりを發はっせり。 63 彼かれ等らの少せう者しゃは、火ひ之これを噛かみ、彼かれ等らの處しょ女ぢょは、人ひと其その爲ために婚こん姻いんの歌うたを歌うたはず、 64 彼かれ等らの司し祭さいは劔つるぎに仆たふれ、彼かれ等らの寡婦やもめは泣なかざりき。 65 然しかれども主しゅは寝いぬる者ものの覺さむるが如ごとく興おき、英雄えいゆうの酒さけに勵はげまさるるが如ごとく起たちて、 66 彼かれ等らの敵てきを後うしろより撃うちて、永ながく之これを辱はづかしめたり。 67 又またイオシフの幕まくを棄すて、エフレムの支し派はを選えらばず、 68 乃すなはちイウダの支し派は、其その愛あいする所ところのシオン山ざんを擇えらべり。 69 其その聖せい所しょを建たてしこと天てんの如ごとく、永ながく此これを固かためしこと地ちの如ごとし。 70 其その僕ぼくダワィドを選えらびて、之これを羊ひつじの牢をりより取とり、 71 乳ちちを哺のまする羊ひつじより牽ひき來きたりて、其その民たみイアコフ、其その業げふイズライリを牧ぼくせしめたり。 72 彼かれは淨きよき心こころを以もって之これを牧ぼくし、智ちなる手てを以もって之これを導みちびけり。