第二カフィズマ
1 伶長に歌はしむ。ラベンの死後。ダワィドの詠。
2 主よ、我心を盡して爾を讚め揚げ、爾が悉くの奇迹を傳へん。
3 至上者よ、我爾の爲に慶び祝ひ、爾の名に歌はん。
4 我が敵は退けらるる時、躓きて爾が顔の前に亡びん。
5 蓋爾は我が判を行ひ、我が訴を理めたり、義なる審判者よ、爾は寶座に坐し給へり。
6 爾は諸民を憤り、惡者を滅し、其名を永遠に抹せり。
7 敵には武器悉く盡き、城邑は爾之を毀ち、其記憶は是と偕に滅びたり。
8 唯主は永遠に存す。彼は審判の爲に其寶座を備へたり、
9 彼は公義を以て世界を審判し、正直を以て審判を諸民に行はん。
10 主は苦めらるる者の爲に避所となり、憂の時に於て避所とならん。
11 爾の名を知る者は爾を賴まん、主よ、爾を尋ぬる者を棄てざればなり。
12 シオンに居る主に歌へ、彼の行爲を諸民の中に傳へよ、
13 蓋彼は血を流す罪を問ひ、之を記憶して、苦めらるる者の號を忘れず。
14 15 主よ、我を憐め、我を死の門より升せて、爾が悉くの讚美をシオンの女の門に傳へしむる者よ、我を疾む者の我に加ふる苦を見よ、我爾が救の爲に喜ばん。
16 諸民は其掘りたる阱に陷り、其藏したる網に其足は縶はれたり。
17 主は其行ひし審判に依りて知られ、惡者は己が手の所爲にて執へられたり。
18 願はくは惡者、凡そ神を忘るる民は地獄に赴かん。
19 蓋貧しき者は永く忘れらるるにあらず、乏しき者の望は永く絶たるるにあらず。
20 主よ、起きよ、人に勝を得しむる毋れ、願はくは諸民は爾が顔の前に審判せられん。
21 主よ、彼等をして懼れしめよ、諸民が己の人たるを知らん爲なり。
22 主よ、何ぞ遠く立ち、憂の時に己を隱す。
23 惡者は誇に依りて貧しき者を陵ぐ、願はくは彼等自ら設くる所の謀に陷らん。
24 蓋惡者は其靈の慾を以て自ら誇り、利を貪る者は己を讚む。
25 惡者は其驕に依りて主を軽んじて、糺さざらんと云ふ、其悉くの思の中に神なしとす。
26 彼の道は恒に害あり、爾の定は彼に遠ざかる、彼は其悉くの敵を藐んじ視る、
27 其心に謂ふ、我動かざらん、代々禍に遭はざらんと、
28 其口には詛呪と欺詐と詭計とを滿て、其舌の下には窘迫と残害あり。
29 彼は垣の後、埋伏所に坐し、罪なき者を隱れたる所に殺し、目を以て貧しき者を窺ふ、
30 隱れたる所に伏し狙ふこと、獅が窟に在るが如し、埋伏所に伏し狙ひて、貧しき者を執へんとす、貧しき者を執へ、牽きて己の網に入る。
31 彼は跼みて伏し、貧しき者は其勁き爪に落つ。
32 彼は其心に謂ふ、神は忘れ、己の面を匿せり、永く見ざらんと。
33 主我が神よ、起きて、爾の手を挙げよ、苦めらるる者を永く忘るる毋れ。
34 何ぞ惡者は神を輕んじて、其心に爾は糺さざらんと云ふ。
35 爾之を見る、蓋爾は陵と虐を鑒みる、爾の手を以て之に報いん爲なり。貧しき者は爾に賴る、孤を扶くる者は爾なり。
36 求む、惡者と罪者の臂を折きて、其惡事を尋ぬとも得るなきに至らしめよ。
37 主は王となりて、世世に終なからん、異邦民は其地より絶たれん。
38 主よ、爾は謙卑の者の願を聞く、彼等の心を固めよ、爾の耳を開きて、
39 孤と苦めらるる者との爲に審判を行ひ給へ、人が復地上に於て恐嚇を爲さざらん爲なり。