26_02

第5章 (イオアン福音)

1 厥その後のちイウデヤ人じんの節筵まつりありて、イイスス イエルサリムに上のぼれり。 2 イエルサリムに羊ひつじの門もんの側かたはらに池あり、エウレイの言ことばにワィフェズダと曰いふ。 3 之これに傍そひて五いつつの廊らうあり、此この中うちに多おほくの病びょう者しゃ、瞽者めしひ、跛者あしなへ、血ち枯かるる者もの臥ふして、水みづの動うごくを待まてり。 4 蓋けだし主しゅの使つかひ時ときありて池いけに下くだりて、水みづを動うごかせり、水みづの動うごく後のち先まづ池いけに入いる者ものは、何なんの病やまひを患わづらふるに論ろんなく、愈いゆるを得えたり。 5 彼處かしこに一人ひとり三さん十じふ八はち年ねん病やまひを患わづらふる者ものありき。 6 イイスス彼かれが臥ふせるを見み、其その之これを患わづらふること已すでに久ひさしきを知しりて、彼かれに謂いふ爾なんぢ愈いえんことを欲ほっするか。 7 病びょう者しゃ答こたへて曰いへり、主しゅよ、然しかり、但ただ水みづの動うごく時とき、我われを扶たすけて、池いけに下くだす人ひとなし、我わが來きたる時ときは、他た人にん我われに先さきだちて下くだる。 8 イイスス彼かれに謂いふ、起おきて、爾なんぢの牀とこを取とりて行ゆけ。 9 其その人ひと直ただちに愈いえ、其その牀とこを取とりて行ゆけり、是この日ひは安息日スボタなり。 10 故ゆゑにイウデヤ人じん愈いやされし者ものに謂いへり、安息日スボタなり、爾なんぢ牀とこを取とるは宜よろしからず。 11 彼かれ答こたへて曰いへり、我われを愈いしし者ものは、我われに爾なんぢの牀とこを取とりて行ゆけと言いへり。 12 彼かれ等ら問とへり、爾なんぢに、牀とこを取とりて行ゆけと言いひし人ひとは誰たれぞ。 13 愈いやされし者ものは其その誰たれたるを知しらざりき、蓋けだし彼處かしこには人ひとの衆おほきに因よりて、イイスス隱かくれたり。 14 厥その後のちイイスス此この人ひとに殿でんに遇あひて、之これに謂いへり、視みよ、爾なんぢは愈いえたり、復また罪つみを犯おかす勿なかれ、恐おそらくは患うれひに遭あふこと更さらに甚はなはだしからん。 15 彼かれ往ゆきて、イウデヤ人じんに、我われを愈いやしし者ものはイイススなりと告つげたり。 16 是ここに於おいてイウデヤ人じんイイススを窘逐きんちくして、殺ころさんことを謀はかれり、彼かれが安息日スボタに此かくの如ごとき事ことを行おこなひし故ゆゑなり。 17 イイスス彼かれ等らに謂いへり、我わが父ちちは今いまに至いたるまで爲なし、我われも亦また爲なす。 18 此これに縁よりてイウデヤ人じん愈いよいよ彼かれを殺ころさんことを謀はかれり、其その第ただ安息日スボタを犯おかししのみならず、乃すなはち又また神かみを己おのれの父ちちと言いひて、己おのれを神かみと齋ひとしく爲なしし故ゆゑなり。 19 イイスス彼かれ等らに答こたへて曰いへり、我われ誠まことに誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、子こは若もし父ちちの行おこなふ所ところを見みずば、己おのれに由よりて何なに事ごとをも行おこなふ能あたはず、父ちちの行おこなふ所ところは、子こも亦また同おなじく之これを行おこなふ。 20 蓋けだし父ちちは子こを愛あいして、凡およそ己おのれの行おこなふ所ところを彼かれに示しめす、且かつ此ここより大おほいなる事ことを彼かれに示しめさん、爾なんぢ等らの奇あやしまん爲ためなり。 21 蓋けだし父ちちが死しせし者ものを起おこして、之これを生いかすが如ごとく、子こも亦また欲ほっする所ところの者ものを生いかす。 22 蓋けだし父ちちは何なん人ぴとをも審判しんぱんせず、乃すなはち悉ことごとくの審判しんぱんを子こに委ゆだねたり、 23 衆しゅう皆みな子こを敬うやまふこと、父ちちを敬うやまふが如ごとくせん爲ためなり。子こを敬うやまはざる者ものは、彼かれを遣つかはしし父ちちを敬うやまはず。 24 我われ誠まことに誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、我わが言ことばを聽ききて、我われを遣つかはしし者ものを信しんずる人ひとは、永遠えいゑんの生命いのちを有たもち、且かつ審判しんぱんの爲ために來きたらず、乃すなはち死しより生命いのちに移うつれり。 25 我われ誠まことに誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、時ときは來きたる、今いまは是これなり、死しせし者ものは神かみの子この聲こゑを聞きかん、之これを聞ききて生いきん。 26 蓋けだし父ちちが己おのれの内うちに生命いのちを有たもつが如ごとく、此かくの如ごとく子こにも己おのれの内うちに生命いのちを有たもたしめ、 27 且かつ彼かれに審判しんぱんを行おこなふ權けんを與あたへたり、其その人ひとの子こたるに因よりてなり。 28 之これを奇あやしむ勿なかれ、蓋けだし時ときは來きたる、凡およそ墓はかの中うちに在ある者ものは神かみの子この聲こゑを聞きかん、 29 而しかうして善ぜんを行おこなひし者ものは生命いのちの復ふく活くわつに出いで、惡あくを爲なしし者ものは定てい罪ざいの復ふく活くわつに出いでん。 30 我われ何なに事ごとをも己おのれに由よりて行おこなふ能あたはず、聞きく所ところに遵したがひて審判しんぱんす、而しかうして我わが審判しんぱんは義ぎなり、蓋けだし我われ己おのれの旨むねを求もとめず、乃すなはち我われを遣つかはしし父ちちの旨むねを求もとむるなり。 31 若もし我われ自みづから己おのれの事ことを證しょうせば、我わが證しょうは眞まことならず。 32 別べつに我われの事ことを證しょうする者ものあり、我われ其その我われを證しょうする證しょうの眞まことなるを知しる。 33 爾なんぢ等ら嘗かつて人ひとをイオアンに遣つかはししに、彼かれは眞しん實じつの爲ために證しょうを作なせり。 34 然しかれども我われは人ひとより證しょうを受うけず、乃すなはち此これを言いふは爾なんぢ等らの救すくはれん爲ためなり。 35 彼かれは燃ともえ且かつ光ひかる燈ともしびたりき、爾なんぢ等らは其その光ひかりに在ありて暫しばらく喜よろこばんと欲ほっせり。 36 然しかるに我われにはイオアンの證しょうより大おほいなる者ものあり、蓋けだし父ちちが我われに與あたへて成なさしむる事こと、此この我わが行おこなふ所ところの事ことは、我われの爲ために、父ちちが我われを遣つかはしし事ことを證しょうす。 37 且かつ我われを遣つかはしし父ちち自みづから我われの爲ために證しょうを作なせり。惟ただ爾なんぢ等ら未いまだ嘗かつて其その聲こゑを聞きかず、其その形かたちを見みざりき。 38 且かつ其その言ことばを爾なんぢ等らの衷うちに存そんせず、蓋けだし彼かれの遣つかはしし者ものは、爾なんぢ等ら之これを信しんぜざるなり。 39 聖せい書しょを探さぐれ、蓋けだし爾なんぢ等らは此これに由よりて永遠えいゑんの生命いのちを得えんと意おもふ、此これ我われの事ことを證しょうするなり。 40 然しかれども爾なんぢ等らは生命いのちを得えん爲ために我われに就つくを欲ほっせず。 41 我われ榮えいを人ひとより受うけず。 42 惟ただ我われ爾なんぢ等らを知しる、爾なんぢ等らの衷うちには神かみに於おける愛あいなし。 43 我われは我わが父ちちの名なに因よりて來きたりしに、爾なんぢ等ら我われを接うけず、若もし他た人にん己おのれの名なに因よりて來きたらば、爾なんぢ等ら之これを接うけん。 44 爾なんぢ等ら互たがひに榮えいを相あひ受うけ、獨どく一いつの神かみよりする榮えいを求もとめずして、豈あに信しんずるを得えんや。 45 我われ爾なんぢ等らを父ちちの前まへに訴うったへんと意おもふ勿なかれ、爾なんぢ等らを訴うったふる者ものにモイセイあり、爾なんぢ等らが恃たのむ所ところの者ものなり。 46 蓋けだし爾なんぢ等ら若もしモイセイを信しんぜば、我われをも信しんぜん、彼かれは我われの事ことを書しるしたればなり。 47 若もし爾なんぢ等ら彼かれの書しょを信しんぜずば、焉いづくんぞ我われの言ことばを信しんぜん。

No comments: