26_02

第4章 (イオアン福音)

1 イイススは、其その門もん徒とを得え、及および洗せんを授さづくることイオアンより多おほきを、ファリセイ人じんが聞ききたりと、知しりし時とき、 2 (然しかれどもイイスス親みづから洗せんを授さづけしに非あらず、其その門もん徒と此これを爲なせり、) 3 乃すなはちイウデヤを離はなれて、復またガリレヤに往ゆけり。 4 彼かれサマリヤを過すぐるべきに由よりて、 5 サマリヤの邑まちシハリと名なづくる處ところに來きたれり、イアコフが其その子こイオシフに與あたへたる地ちに近ちかし。 6 彼處かしこにイアコフの井ゐあり。イイスス旅たびに疲つかれて、井ゐの傍かたはらに坐ざせり。時とき約およそ六ろく時じなり。 7 サマリヤの婦をんな、水みづを汲くむ爲ために來きたれり。イイスス之これに謂いふ、我われに飮のましめよ。 8 蓋けだし其その門もん徒とは食しょくを市かはん爲ために邑まちに往ゆけり。 9 サマリヤの婦をんな彼かれに謂いふ、爾なんぢはイウデヤ人じんたるに、如何いかにして我われサマリヤの婦をんなに飮のむを求もとむるか。蓋けだしイウデヤ人じんとサマリヤ人じんとは相あひ交際かうさいせざるなり。 10 イイスス之これに答こたへて曰いへり、若もし爾なんぢは、神かみの賜たまもの、及および我われに飮のましめよと、爾なんぢに言いふ者ものの誰たれたるかを知しらば、爾なんぢ自みづから彼かれに求もとめん、而しかうして彼かれは爾なんぢに活いける水みづを與あたへん。 11 婦をんな彼かれに謂いふ、主しゅよ、爾なんぢに汲くむ器うつはなく、井ゐも亦また深ふかし、然しからば何なにより爾なんぢに活いける水みづあるか。 12 爾なんぢ豈あに我わが祖ちちイアコフより大おほいなるか、彼かれは我われ等らに此この井ゐを與あたへ、己おのれも、其その諸しょ子しも、其その家か畜ちくも、之これより飮のみたり。 13 イイスス答こたへて謂いへり、凡およそ此この水みづを飮のむ者ものは、復また渇かわかん、 14 然しかれども我わが與あたへんとする水みづを飮のむ者ものは、世よ世よに渇かわかざらん、乃すなはち我わが彼かれに與あたへんとする水みづは、其その中うちに於おいて永遠えいゑんの生命いのちに湧わく水みづの泉いづみと爲ならん。 15 婦をんな彼かれに謂いふ、主しゅよ、我われに此この水みづを與あたへよ、我わが渇かわかず、亦また此ここに來きたりて汲くまざらん爲ためなり。 16 イイスス之これに謂いふ、往ゆきて、爾なんぢの夫おっとを呼よびて、此ここに來きたれ。 17 婦をんな對こたへて曰いへり、我われに夫おっとなし。イイスス之これに謂いふ、爾なんぢが夫おっとなしと言いひしは是ぜなり、 18 蓋けだし爾なんぢに五ご人にんの夫おっとありき、而しかうして今いまある者ものは爾なんぢの夫おっとに非あらず、此これ爾なんぢ眞まことを言いへり。 19 婦をんな彼かれに謂いふ、主しゅよ、我われ觀みるに爾なんぢは預よ言げん者しゃなり。 20 我わが先せん祖ぞは此この山やまに拜はいせり、然しかるに爾なんぢ等らは拜はいすべき處ところはイエルサリムに在ありと言いふ。 21 イイスス之これに謂いふ、婦をんなよ、我われを信しんぜよ、此この山やまにも非あらず、イエルサリムにも非あらずして父ちちを拜はいせん時ときは來きたる。 22 爾なんぢ等らは拜はいする所ところを知しらず、我われ等らは拜はいする所ところを知しる、蓋けだし救すくひはイウデヤ人じんよりするなり。 23 然しかれども時ときは來きたる、今いまは是これなり、眞しんの禮れい拜はい者しゃは神しん゜を以もって眞まことを以もって拜はいせん、蓋けだし父ちちは是かくの如ごとく彼かれを拜はいする者ものを覓もとむ。 24 神かみは神しん゜なり、彼かれを拜はいする者ものは神しん゜を以もって眞まことを以もって拜はいすべし。 25 婦をんな彼かれに謂いふ、我われ知しる、メッシヤ、卽すなはちハリストスは來きたらん、彼かれ來きたる時とき、悉ことごとく我われに告つげん。 26 イイスス之これに謂いふ、是これ我われ、爾なんぢと語かたる者ものなり。 27 適たまたま其その門もん徒と來きたりて、彼かれが婦をんなと語かたれるを異あやしみたれども、一ひとりも、爾なんぢは何なにを求もとむるか、或あるひは之これと何なにを語かたるかと、云いひし者ものなし。 28 時ときに婦をんな其その水みづ甕がめを遺のこして、邑まちに往ゆきて、人人ひとびとに謂いふ、 29 來きたりて、我わが凡およそ行おこなひし事ことを我われに告つげし人ひとを觀みよ、是これハリストスに非あらずや。 30 人人ひとびと邑まちを出いでて、彼かれに往ゆけり。 31 此この「際*さい」門もん徒と彼かれに請こひて曰いへり、夫子ラウワィ、食くらへ。 32 然しかれども彼かれは之これに謂いへり、我われに食くらふべき糧かてあり、爾なんぢ等らが知しらざる者ものなり。 33 故ゆゑに門もん徒と互たがひに言いへり、豈あに孰たれか彼かれに食しょくを饋おくりりたる。 34 イイスス彼かれ等らに謂いふ、我わが糧かては我われを遣つかはしし者ものの旨むねを行おこなひ、其その功わざを成じゃう就じゅするに在あり。 35 爾なんぢ等らは尚なほ四しか月げつにして収穫かりいれは來きたらんと云いふに非あらずや、我われ爾なんぢ等らに語つぐ、爾なんぢ等ら目めを擧あげて、田たを觀みよ、已すでに白しろくして穫かるべし。 36 穫かる者ものは値あたひを得えて、實みを永遠えいゑんの生命いのちに積つむ、播まく者ものも穫かる者ものも共ともに喜よろこばん爲ためなり。 37 蓋けだし彼かれは播まき此これは穫かると云いへるは、斯ここに於おいて眞まことなり。 38 我われ爾なんぢ等らを遣つかはして、爾なんぢ等らが勞らうせざりし所ところを穫からしむ、他た人にんは勞らうし、爾なんぢ等らは其その勞らうに入いれり。 39 彼かの邑まちの多おほくのサマリヤ人じんは婦をんなが、彼かれは我わが凡およそ行おこなひし事ことを我われに告つげたりと、證しょうせし言ことばに因よりて彼かれを信しんぜり。 40 故ゆゑにサマリヤ人じんは彼かれに就つきし時とき、偕ともに留とどまらんことを請こへり、彼かれは彼處かしこに留とどまりしこと二日ふつかなり。 41 尚なほ多おほくの者ものは彼かれの言ことばに因よりて信しんぜり。 42 而しかうして婦をんなに謂いへり、我われ等らは已すでに爾なんぢの言ことばに因よりて信しんずるに非あらず、蓋けだし自みづから聞ききて、彼かれは誠まことに世よの救きう主しゅハリストスなりと知しれり。 43 二日ふつかを越こえて、彼かれ彼處かしこを出いでて、ガリレヤに往ゆけり。 44 蓋けだしイイスス親みづから、預よ言げん者しゃは其その故土ふるさとに於おいて尊たっとばれずと證しょうせり。 45 ガリレヤに來きたりし時とき、ガリレヤ人じん彼かれを接うけたり、凡およそ彼かれがイエルサリムに節筵まつりの時ときに行おこなひし事ことを見みたればなり、蓋けだし彼かれ等らも亦また節筵まつりに往ゆけり。 46 是ここに於おいてイイスス復またガリレヤのカナに來きたれり、嘗かつて水みづを酒さけに變へんぜし所ところなり。適たまたま一ひとりの王わう臣しんあり、其その子こカペルナウムに在ありて病やめり。 47 彼かれはイイススのイウデヤよりガリレヤに來きたりしを聞ききて、之これに就つき、下くだりて其その子こを醫いやさんことを請こへり、蓋けだし子こは死しに瀕のぞめり。 48 イイスス之これに謂いへり、爾なんぢ等ら若もし休きう徴ちょうと奇き蹟せきとを見みずば、信しんぜざらん。 49 王わう臣しん彼かれに謂いふ、主しゅよ、請こふ、我わが子この死しせざる先さきに下くだれ。 50 イイスス之これに謂いふ、往ゆけ、爾なんぢの子こは生いく。人ひとはイイススの之これに言いひし言ことばを信しんじて往ゆけり。 51 往ゆく時とき、其その諸しょ僕ぼく彼かれに遇あひて、告つげて曰いへり、爾なんぢの子こは生いく。 52 彼かれは之これに、其その何なんの時ときに愈いえ始はじめしを問とひたれば、彼かれに謂いへり、昨日きのふ第だい七しち時じに熱ねつ退しりぞけり。 53 父ちちは、此これ卽すなはちイイススが彼かれに爾なんぢの子こは生いくと言いひし時ときなるを知しれり。是ここに於おいて彼かれ自みづから及および其その全ぜん家か皆みな信しんじたり。 54 此これ第だい二ふたつの休きう徴ちょうなり、イイスス イウデヤよりガリレヤに來きたりて、之これを行おこなへり。

No comments: