26_02

第27章 (マテオ聖福音書)

 第九項 イエズス ピラトの前に出廷し給ふ。

1 あけおよびて、さいちゃう たみかんちゃうらうみなイエズスをしょせんとけふし、 2 しばりてこれめしつれれ、そうとくポンショ、ピラトにわたせり。 3 ときにイエズスをわたししユダ、そのせんこくせられたまひしをこうくわいし、三十まいぎんくわさいちゃう ちゃうらうもたらしてこれかへし、 4 われざいりてつみをかせり、とひしかばかれひけるは、われおいなにかあらん、なんぢみづからるべし、と。 5 ユダぎんくわを[しん]殿でんうちなげててりしが、きてなはもっみづからくびれたり。 6 さいちゃうそのぎんくわりてひけるは、これあたひなれば賽錢さいせんばこるべからず、と。 7 すなはちけふして、これにて陶匠やきものしはたけひ、たびひとはかてたり。 8 ゆゑこのはたけこんにちまでもハケルダマ、すなはちはたけばれたり。 9 ここおいげんしゃエレミアによりてはれしことじゃうじゅせり、いはく「かれはイスラエルの評價ねづもられしもののあたひなるぎんくわ三十まいり、 10 陶匠やきものしはたけためあたへたり、しゅわれしめたまへるごとし」と。 11 てイエズス、そうとくまへしゅっていたまひしに、そうとくひてひけるは、なんぢはユデアじんわうなるか。イエズスのたまひけるは、なんぢへるがごとし、と。 12 かくさいちゃうちゃうらうよりうったへられたまへども、なにごとをもこたたまはざりければ、 13 ピラトこれひけるは、かれなんぢたいして如何いかおほいなるしょうげんすかをかざるか、と。 14 イエズス一言いちごんこれこたたまはざりしかば、そうとくかんたんすることはなはだしかりき。 15 ここに、さいじつあたりてそうとくじんみんほっするところしうじん一個ひとりゆるすのれいありしが、 16 をりしもバラバとへるだかしうじんあるにより、 17 ピラトかれあつまりたるに、なんぢわれたれゆるさんことほっするか、バラバかキリストとへるイエズスか、とへり。 18 ひとねたみによりてイエズスをわたししをればなり。 19 そうとく法廷はふていしけるに、そのつまひとつかはしてひけるは、なんぢこのじんかかはることなかれ、けだしわれゆめうちに、かれためおほくるしめり、と。 20 さいちゃうちゃうらうじんみんむかひ、バラバをひてイエズスをほろぼさんことすすめしが、 21 そうとくこたへて、なんぢ二人ふたりうちいづれをゆるされんことのぞむか、とひしにかれ、バラバを、とひしかば、 22 ピラトひけるは、しからばキリストとへるイエズスをわれ如何いかしょぶんせんか。 23 みないはく、じふけよ、と。 そうとくかれなんあくししか、とひたれどかれますますさけびて、じふけよ、とたり。
24 ピラトそのなにかひもなくかへっさうどういやすをて、みづり、じんみんまへあらひてひけるは、このじんきてわれつみなし、なんぢみづからるべし、と。 25 じんみんみなこたへて、そのわれわれどもとのうへに[かかれかし]、とひしかば、 26 そうとくバラバをかれゆるし、イエズスをばむちうたせてじふけんためかれわたせり。 27 そうとくへいそつ、イエズスをやくしょひきり、ぜんたいそのもとよびあつめ、 28 そのふくぎてあかうはぎせ、 29 いばらかんむりみてそのかうべかむらせ、みぎよしたせ、そのまへひざまつきて、ユデアじんわうやすかれ、とひてあざけり、 30 またここつばきかけ、よしりてそのかうべれり。

第十項 十字架上の犠牲。

31 イエズスをてうろうしてのちそのうはぎぎてもとふくせ、じふけんとてひききしが、 32 まちいづとき、シモンとなづくるシレネじんひしかば、しひこれそのじふになはせたり。 33 かくてゴルゴタすなはち髑髏されかうべへるところいたり、 34 ぜたるだうしゅをイエズスにませんとせしに、これたまひて、ことがへんたまはざりき。 35 かれイエズスをじふけてのちくじきてそのふくわかちしが、これげんしゃりてはれしことじゃうじゅせんためなり。 いはく「かれたがひわがふくわかち、わがした抽鬮くじびきにせり」と。 36 かれまたしてイエズスをまもりしが、 37 そのかうべうへに、これユデアじんわうイエズスなり、ときたる罪標すてふだけり。
38 これとも二人ふたり強盗がうたう一人ひとりそのみぎに、一人ひとりそのひだりじふけられしが、 39 わうらいひとイエズスをののしり、かうべりて、 40 ああなんぢしん殿でんこぼちて三うちこれたてなほものよ、みづからすくへ、もしかみならばじふよりりよ、とたり。 41 さいちゃうまた律法りっぱうがくちゃうらうともおなじくあざけりてひけるは、 42 かれにんすくひしにみづからすくあたはず、もしイスラエルのわうならば、いまじふよりるべし、しからばわれかれしんぜん。 43 かれかみたのめり、かみもしかれよみせばいますくたまふべし、は「われかみなり」とひたればなり、と。 44 イエズスとともじふけられたる強盗がうたうも、おなやうののしたり。 45 かくじふよりさんまで、じゃうあまねくらやみとなりしが、 46 さんごろ、イエズスこゑたかよばはりてのたまひけるは、エリ、エリ、ラマ、サバクタニ、と。 これすなはちわがかみよ、わがかみよ、なんわれたまひしや、のなり。 47 其處そこてるものうちある人々ひとびとこれきて、かれエリアをぶよ、とりしが、 48 やがそのうち一人ひとりはしりき、かい綿めんりてふくませ、よしけてかれませんとせるに、 49 ほかひとさしおけ、エリアきたりてかれすくふやいなやをん、とたり。 50 イエズスまたこゑたかよばはりていきたまへり。 51 をりしも[しん]殿でんまくうへよりしたまでふたつけ、ふるひ、いはやぶれれ、 52 はかひらけ、ねむりたるせいじんしかばねおほあがりしが、イエズスのふくくわつのち 53 はかでてせいなるみやこいたり、おほくのひとあらはれたり。 54 ひゃくちゃうおよびこれともにイエズスをまもれる人々ひとびとしんおこれることとをはなはだおそれ、かれかみなりき、とへり。
55 此處ここに、ガリレアよりイエズスにしたがひてつかへつつありしおほくのじんたちはなれてりしが、 56 マグダレナ、マリアと、ヤコボ、ヨセフのははなるマリアと、ゼベデオのどもははそのうちりき。
57 くれおよびて、アリマテアのふうしゃヨゼフとへるものきたり、おのれもイエズスの弟子でしなりければ、 58 ピラトにいたりてイエズスのしかばねひたるに、ピラトこれわたことめいぜしかば、 59 ヨゼフしかばねりてきよぬのつつみ、 60 いはりたるあたらしきはかをさめ、そのはかいりくちおほいなるいしまろばばしてれり。 61 マグダレナ、マリアとほかのマリアとは其處そこりて、はかむかひてたり。
62 よくじつすなはちようつぎさいちゃう ファリザイじん、ピラトのもとつどいたりて 63 ひけるは、きみよ、われおもひしたり、かのいつはりものなほぞんめいせしときわれ三日みっかのちふくくわつせんとひしなり。 64 ればめいじて三日みっかまではかまもらせよ、おそらくは弟子でしたちきたりてこれぬすみ、よりふくくわつせりとじんみんはん、しからばのちまどひまへよりもはなはだしかるべし、と。 65 ピラトかれむかひ、なんぢばんへいあり、きておもまままもれとひければ、 66 かれきていしふういんし、ばんへいはかまもらせたり。