第十五カフィズマ
アリルイヤ
1 主を讚榮せよ、蓋彼は仁慈にして、其憐は世世にあればなり。
2 孰か能く主の大能を言ひ、其悉くの讚美を述べん。
3 審判に遵ひ、常に義を守る者は福なり。
4 主よ、爾の民に施す恩を以て我を記憶し、爾の救を以て我に臨みて、
5 我に爾が選びし者の福を見、爾の民の樂を以て樂み、爾の嗣業と偕に誇らしめ給へ。
6 我等は我が列祖と偕に罪を犯し、不法を行ひ、不義を作せり。
7 我が列祖はエギペトに在りて爾の奇迹を悟らず、爾が多くの慈憐を念はず、海卽紅の海の畔に叛きたり。
8 然れども神は己の名の爲に彼等を救へり、其大能を顯さん爲なり。
9 彼嚴しく紅の海に命じたれば、海涸れたり、乃彼等を導きて、淵を陸の如く行かしめたり、
10 彼等を惡む者の手より救ひ、彼等を敵の手より脫せり。
11 水は彼等の敵を蔽へり、其一も遺らざりき。
12 是を以て彼等は神の言を信じ、彼を讚美して歌へり。
13 然れども彼等は速に其作爲を忘れ、其旨を俟たざりき、
14 慾を曠野に縱にし、神を荒地に試みたり。
15 彼は其求むる所を賜ひ、唯其靈に疫病を遣せり。
16 彼等は營中に於てモイセイと、主の聖者アアロンとを嫉めり。
17 地は啓けてダファンを呑み、アアロンの黨を蔽ひ、
18 火は其黨の中に燃え、焰は惡者を燬き盡せり。
19 彼等はホリウに在りて犢を造り、偶像を拜みたり、
20 己の光榮を易へて、草を食む牛の像となせり。
21 神其救主、大なる事をエギペトに、
22 奇妙なる事をハムの地に、懼るべき事を紅の海に行ひし者を忘れたり。
23 神は彼等を滅さんことを望めり、惟其選びたるモイセイは彼の前に立ち、罅隙に在りて、其怒を囘し、彼等の滅さるるを免れしめたり。
24 彼等は曾て慕ひし地を輕んじ、神の言を信ぜざりき、
25 己の幕の中に怨言を吐き、主の聲を聽かざりき。
26 主は其手を彼等に擧げたり、彼等を曠野に倒し、
27 其族を諸民の中に顛し、彼等を諸の地に散らさん爲なり。
28 彼等はワアルフェゴルに附き、靈なき者の祭物を食へり、
29 其行を以て神を怒らせたり、故に疫病其中に流行せり。
30 フィネエス起ちて裁判を行ひたれば、疫病息みたり。
31 此に依りて彼は義と稱せらるるを得たり、世世を歴て永遠に迄らん。
32 彼等はメリワの水に於て神を怒らせ、モイセイ彼等の爲に難に遭へり、
33 蓋彼等其靈を憂ひしめたれば、彼其口を以て罪を犯せり。
34 彼等は主の命ぜし所の諸民を滅さず、
35 乃異邦人と雑居して、其行に傚ひたり。
36 其彼等の爲に網となりし偶像に事へて、
37 己の男子己の女子を以て惡魔に獻祭せり、
38 無辜の血、卽ハナアンの偶像を祭れる己の男子己の女子の血を流したれば、地は其血にて汚されたり。
39 彼等は己の所爲にて自らを汚し、己の行にて淫行せり。
40 是を以て主の怒は其民に燃え、主は其嗣業を厭ひ、
41 彼等を異邦人の手に付せり、彼等を惡む者は彼等を制し、
42 其敵は之を迫害し、彼等は其手に降れり。
43 主は屢彼等を釋けり、唯彼等は己の剛愎を以て主を怒らせ、己の不法の爲に侮を蒙れり。
44 然れども主は彼等の呼ぶを聽きし時、其憂を顧み、
45 己が彼等と結びし約を記憶し、憐の多きに依りて自ら悔い、
46 凡そ彼等を虜にせし者に彼等を憐む情を起させしめ給へり。
47 主我等の神よ、我等を救ひ、諸民の中より我等を集めて、爾の聖なる名を讚榮し、爾の光榮を誇らしめ給へ。
48 主イズライリの神は崇め讚められて世より世に迄らん、衆民云ふべし、アミン、アリルイヤ。