26_01

第17章 (マトフェイ福音)

1 日ひを越こえて、イイススはペトル、イアコフ及および其その兄きゃう弟だいイオアンを攜たづさへ獨ひとり彼かれ等らを率ひきゐて、高たかき山やまに登のぼり、 2 彼かれ等らの前まへにて容さまを變かへたり、其その面おもては日ひの如ごとく輝かがやき、其その衣ころもは光ひかりの如ごとく皎しろくなれり。 3 視みよ、モイセイ及およびイリヤ現あらはれて、彼かれと與ともに語かたれり。 4 時ときにペトル イイススに謂いへり、主しゅよ我われ等ら此ここに居をるは善よし、爾なんぢ若もし欲ほっせば、我われ等ら此ここに三みつの廬いほりを建たてて、一ひとつは爾なんぢの爲ため、一ひとつはモイセイの爲ため、一ひとつはイリヤの爲ためにせん。 5 彼かれが尚なほ言いふ時とき、視みよ、光ひかれる雲くもは彼かれ等らを蓋おほひ、且かつ雲くもより聲こゑありて云いふ、此これは我われの至し愛あいの子こ、我わが喜よろこべる者ものなり、彼かれに聽きけ。 6 門もん徒と聞ききて俯ふ伏ふくし、懼おそるること甚はなはだし。 7 イイスス就つきて、彼かれ等らに觸ふれて曰いへり、起おきよ、懼おそるる勿なかれ。 8 彼かれ等ら其その目めを擧あげて、獨ひとりイイススの外ほかに誰たれをも見みざりき。 9 山やまを下したる時ときイイスス彼かれ等らに戒いましめて曰いへり、人ひとの子こが未いまだ死しより復ふく活くわつせざる先さきには、見みたる事ことを人ひとに告つぐる勿なかれ。 10 門もん徒と彼かれに問とひて曰いへり、然しからば學がく士し等らがイリヤ先さきに來きたるべしと云いふは何なんぞや。 11 イイスス答こたへて曰いへり、然しかり、イリヤ先さきに來きたりて、萬ばん事ことを整ふべし。 12 惟ただ我われ爾なんぢ等らに語つぐ、イリヤ旣すでに來きたりて、而しかうして人ひと彼かれを識しらざりき、乃すなはち欲ほっする所ところに隨したがひて、彼かれを待あしらへり、是かくの如ごとく人ひとの子こも、彼かれ等らより苦くるしみを受うけん。 13 是ここに於おいて門もん徒とは、其その授じゅ洗せんイオアンの事ことを彼かれ等らに言いひしを悟さとれり。 14 旣すでに民たみの處ところに至いたりしに、或ある人ひと彼かれに就つきて、跪つまづきて曰いへり、 15 主しゅよ、我わが子こを憐あはれめ、彼かれ癲癇てんかんを患わづらひて、苦くるしむこと甚はなはだし、蓋けだし屡しばしば火ひに倒たふれ、亦また屡しばしば水みづに倒たふる、 16 我われ之これを攜たづさへて、爾なんぢの門もん徒とに就つきたれども、彼かれ等ら醫いやすこと能あたはざりき。 17 イイスス答こたへて曰いへり、噫ああ信しんなき悖もとれる世よや、我われ何時いつまでか爾なんぢ等らと偕ともに在あらん、何時いつまでか爾なんぢ等らを忍しのばん、彼かれを此ここに我われに攜たづさへ來きたれ。 18 イイスス魔ま鬼きを禁いましめたれば、魔ま鬼き出いでて、其その子こ斯この時ときより愈いえたり。 19 其その時とき門もん徒と私ひそかにイイススに就つきて曰いへり、我われ等らが之これを逐おひ出いだす能あたはざりしは何なにの故ゆゑぞ。 20 イイスス彼かれ等らに謂いへり、爾なんぢ等ら信しんなき故ゆゑなり、蓋けだし我われ誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、爾なんぢ等ら若もし芥からし種だねの如ごとき信しんあらば、此この山やまに、此ここより彼かれに移うつれと言いふとも、移うつらん、又また爾なんぢ等らに一ひとつも能あたはざること勿なからん。 21 此この類るゐに至いたりては、祈き禱たうと齋ものいみとに由よらざれば出いでざるなり。 22 ガリレヤに在ある時とき、イイスス彼かれ等らに謂いへり、人ひとの子こは人人ひとびとの手てに付わたされん。 23 且かつ彼かれを殺ころさん、而しかうして第だい三さん日じつに彼かれ復ふく活くわつせん、彼かれ等ら甚はなはだ哀かなしめり。 24 カペルナウムに來きたりし時とき、殿でん稅ぜいを集あつむる者ものペトルに就つきて曰いへり、爾なんぢ等らの師しは殿でん稅ぜいを納をさむるか。 25 彼かれ曰いはく、然しかり。家いへに入いりし時とき、イイスス先さきんじて彼かれに謂いへり、シモン爾なんぢ如何いかに意おもふか、地ちの諸しょ王わうは貢みつぎ若もくは稅ぜいを誰たれより取とるか、己おのれの子こよりか、抑そもそもも外ほかの者ものよりか。 26 ペトル曰いはく、外ほかの者ものよりす。イイスス彼かれに謂いへり、然しからば子こは與あづからず。 27 然しかれども我われ等らが彼かれ等らを惑まどはさざらん爲ために、爾なんぢ海うみに往ゆきて、釣つりを垂たれよ、初はじめに上あがる魚うをを取とりて、其その口くちを啓ひらかば、スタティルを得えん、之これを取とりて、我われと爾なんぢとの爲ために彼かれ等らに與あたへよ。