第二編 律法並に福音に就きての論難。
第一項 律法にて詛
は
信しん仰かうによりて
活いく」、とあるを
以もって
明あきらかなり。
12 律りっ法ぱふは
信しん仰かうによるに
非あらずして、「
掟おきてを
行おこなふ
人ひとは
之これによりて
活いきん」、とあり。
13 録かきしるして、「
総すべて
木きに
吊つるさるる
人ひとは
詛のろはれたるなり」、とあれば、キリストは
我われ等らの
爲ために
詛のろはれたる
者ものとなりて、
律りっ法ぱふの
詛のろひより
我われ等らを
贖あがなひ
給たまひしなり。
14 是これアブラハムの
祝しゅく福ふくがキリスト、イエズスによりて
異い邦はう人じんに
及およぼされ、
約やく束そくせられ
給たまひし
聖せい靈れいを
信しん仰かうによりて
我われ等らが
受うけん
爲ためなり。
第二項 律法の下にありては未丁年者なるに、信仰及びキリスト教の下に在りては、丁年者となる。
15 兄きゃう弟だい等たちよ、
我われ人ひとの
言いふが
如ごとくに
言いへば、
人ひとの
公こう正せいなる
遺ゐ書しょは
廢はいする
人ひとなく
書かき加くはふる
人ひとなし。
16 アブラハムと
其その裔すゑとに
約やく束そくせられし
時とき、
多おほくの
人ひとを
斥さすが
如ごとく
裔すゑ[
等ら]とは
曰のたまはずして、
一人ひとりを
斥さして
汝なんぢの
裔すゑと
曰いへり、
是これ即すなはちキリストなり。
17 然さて
我われは
言いはん、
神かみの
旣すでに
固かため
給たまひし
契けい約やくをば、
其そのより四百三十
年ねんの
後のちに
與あたへられし
律りっ法ぱふが、
約やく束そくを
空むなしからしめんとて
廢はいしたるに
非あらず。
18 蓋けだし世よ繼つぎ若もし律りっ法ぱふに
由よらば、
是これ旣すでに
約やく束そくに
由よらざるなり。
然されど
神かみは
約やく束そくを
以もって、
之これをアブラハムに
賜たまひたるなり。
19 然しからば
律りっ法ぱふは
何なんぞや、
是これ約やく束そくせられし
裔すゑの
來きたる
迄までの
間あひだ、
犯はん則そくの
爲ために
置おかれしものにして、
仲ちゅう裁さい者しゃの
手てを
經へて
天てん使し等たちによりて
布ふ告こくせられたるものなり。
20 然さて
仲ちゅう裁さい者しゃは
一方いっぱうのものに
非あらざるに、
神かみは
唯ゆゐ一いつにて
在まします。
21 然されば
律りっ法ぱふは
神かみの
約やく束そくに
反はんするか、
否いな、
蓋けだし若もし人ひとを
能よく
活いかすべき
律りっ法ぱふを
與あたへられたらんには、
義ぎは
實まことに
律りっ法ぱふにより
出いづべし
22 と
雖いへども、
聖せい書しょは
萬ばん物ぶつを
罪つみの
下もとに
閉とぢ籠こめたり。
是これ約やく束そくはイエズス、キリストに
於おける
信しん仰かうに
由よりて、
信しんずる
人ひとに
與あたへられん
爲ためなり。
23 信しん仰かうの
來きたる
前まへには、
我われ等らは
律りっ法ぱふの
下もとに
閉とぢ籠こめられて、
顕あらはれんとする
信しん仰かうの
來きたるまで
衛まもられつつありき。
24 然されば
我われ等らが
信しん仰かうに
由よりて
義ぎとせられん
爲ために、
律りっ法ぱふは
我われ等らをキリストに
導みちびく
指し導だう者しゃとなれり。
25 然されど
信しん仰かう旣すでに
來きたりては、
我われ等らは
最も早はや指し導だう者しゃの
下もとに
在あらず、
26 其そは
汝なんぢ等ら、キリスト、イエズスに
於おける
信しん仰かうに
由よりて、
皆みな神かみの
子こ等らなればなり。
27 即すなはちキリストに
由よりて
洗せんせられたる
汝なんぢ等らは、
悉ことごとくキリストを
着きせるなり。
28 斯かくてユデア
人じんもなくギリシア
人じんもなく、
奴ど隷れいも
自じ由いうの
身みもなく、
男をとこも
女をんなもなし、
其そは
汝なんぢ等らキリスト、イエズスに
於おいて
皆みな一人ひとりなればなり。
29 汝なんぢ等ら若もしキリストのものならば、
是これアブラハムの
裔すゑなり、
約やく束そくの
儘ままなる
世よ嗣つぎなり。