26_02

第17章 (ルカ福音)

1 イイスス又また其その門もん徒とに謂いへり、誘惑いざなひは來きたらざるを得えず、惟ただ之これを來きたす者ものは禍わざはひなる哉かな。 2 人ひと此この小せう子しの一人ひとりを罪つみに誘いざなはんよりは、寧むしろ磨石ひきうすを其その頚くびに懸かけられて、海うみに投とうぜられん。 3 己おのれを愼つつしめ、若もし爾なんぢの兄きゃう弟だい爾なんぢに罪つみを獲えば、彼かれを戒いましめよ、若もし悔くいば、彼かれに免ゆるせ。 4 若もし一ある日ひに七次ななたび爾なんぢに罪つみを獲え、亦また一ある日ひに七次ななたび自みづから省かへりみて、我われ悔くゆと曰いはば、彼かれに免ゆるせ。 5 使し徒と等ら主しゅに謂いへり、我われ等らに信しんを益ませ。 6 主しゅ曰いへり、若もし爾なんぢ等らに芥からし種だねの如ごとき信しんあらば、此この桑くはに、抜ぬけて海うみに植うわれと言いふとも、爾なんぢ等らに聽きかん。 7 孰たれか爾なんぢ等らの中うちに耕たがへし、或あるひは畜けものを牧かふ僕ぼくあらんに、其その田たより歸かへりて後のち、之これに直ただちに來きたりて席せき坐ざせよと云いふ者ものあらんや、 8 豈あに彼かれに曰いはずや、我わが晩ばん餐さんを備そなへ、我われの食くひ飮のみする間あひだ、帶おびを束つかねて我われに事つかへ、後のち爾なんぢ食くひ飮のみせよと。 9 彼かれは其その僕ぼくが命めいぜられしことを行おこなひし爲ために、之これに謝しゃせんか、我われ之これを意おもはず。 10 是かくの如ごとく爾なんぢ等らも、凡およそ爾なんぢ等らに命めいぜられし事ことを行おこなひし時ときには謂いへ、我われ等らは無な益えきの僕ぼくなり、行おこなふべき事ことを行おこなひしのみと。 11 彼かれイエルサリムに往ゆくに、サマリヤとガリレヤとの間あひだを經へたり。 12 或ある村むらに入いる時とき、癩らい病びゃう者しゃ十じふ人にん彼かれを迎むかへ、遠とほく立たちて、聲こゑを揚あげて曰いへり、 13 イイスス夫ふう子しよ、我われ等らを憐あはれめ。 14 イイスス彼かれ等らを視みて、曰いへり、往ゆきて、己おのれを司し祭さい等らに示しめせ。彼かれ等ら往ゆく時とき潔きよまれり。 15 其その中うち一人ひとり、己おのれの愈いやされしを見みて、返かへりて、大おほ聲ごゑを以もって神かみを讚さん榮えいし、 16 イイススの足そく下かに俯ふ伏ふくして感かん謝しゃせり、彼かれはサマリヤの人ひとなり。 17 イイスス曰いへり、潔きよまりし者ものは十じふ人にんに非あらずや、其その九きうは何處いづこに在あるか、 18 此この異い族ぞく人jinn の外ほか、如何いかんぞ返かへりて、光くわう榮えいを神かみに歸きせざる。 19 又また彼かれに謂いへり、起たちて往ゆけ、爾なんぢの信しんは爾なんぢを救すくへり。 20 ファリセイ等らに、神かみの國くには何いづれの時ときに來きたると問とはれて、彼かれ等らに答こたへて曰いへり、神かみの國くには顯あらはに來きたらず、 21 人人ひとびと、視みよ、此處ここに在あり、或あるひは視みよ、彼處かしこに在ありと、曰いはざらん。蓋けだし視みよ、神かみの國くには爾なんぢ等らの衷うちに在あり。 22 又また門もん徒とに謂いへり、爾なんぢ等ら人ひとの子この一いち日にちを見みんと欲ほっす時とき至いたらん、而しかうして之これを見みざらん。 23 人人ひとびと爾なんぢ等らに、視みよ、此處ここに在あり、或あるひは視みよ、彼處かしこに在ありと謂いはん、往ゆく勿なかれ、從したがふ勿なかれ。 24 蓋けだし電いなづまが天てんの此この涯はてより閃ひらめきて、天てんの彼かの涯はてにまで光ひかるが如ごとく、人ひとの子こも其その日ひに是かくの如ごとくならん。 25 然しかれども彼かれは先まづ多おほく苦くるしみを受うけて、此この世よに棄すてらる可べし。 26 ノイの日ひに在ありし如ごとく、人ひとの子この日ひにも是かくの如ごとくならん。 27 人人ひとびと食くらひ飮のみ、娶めとり嫁とつぎて、ノイの方はう舟しうに入いる日ひに至いたり、洪水こうずゐ來きたりて、盡ことごとく彼かれ等らを滅ほろぼせり。 28 同おなじく又またロトの日ひに在ありし如ごとし人人ひとびと食くらひ飮のみ、買かひ賣うり、樹うゑ、構造やづくりせり、 29 然しかれどもロトがソドムより出いでし日ひ、天てんより火ひと硫黄ゆわうと雨ふりて、盡ことごとく彼かれ等らを滅ほろぼせり。 30 人ひとの子この顯あらはるる日ひにも亦また是かくの如ごとくならん。 31 當その日ひ屋やの上うへに在あらん者ものは、其その器うつはもの家いへに在あらば、之これを取とらん爲ために下くだる可べからず、田たに在あらん者ものも、同おなじく後あとへ歸かへる可べからず。 32 ロトの妻つまを記き憶おくせよ。 33 己おのれの生命いのちを救すくはんと求もとむる者ものは、之これを喪うしなはん、之これを喪うしなふ者ものは、之これを存そんせん。 34 我われ爾なんぢ等らに語つぐ、其その夜よ二人ふたり榻とこを同おなじくせんに、一人ひとりは取とられ、一人ひとりは遺のこされん。 35 二人ふたりの婦をんな共ともに磨うすを旋ひかんに、一人ひとりは取とられ、一人ひとりは遺のこされん。 36 二人ふたり田たに在あらんに、一人ひとりは取とられ、一人ひとりは遺のこされん。 37 彼かれ等ら問とひて曰いはく、主しゅよ、何處いづこにか之これれ有ある。彼かれは之これに謂いへり、屍しかばねの在ある所ところには、鷲わし集あつらん。

No comments: