26_01

第18章 (マトフェイ福音)

1 當時そのとき門もん徒とイイススに就つきて曰いへり、天てん國こくに於おいては孰たれか大おほいなる。 2 イイスス幼兒を召めして、彼かれ等らの中うちに立たてて 3 曰いへり、我われ誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、爾なんぢ等ら若もし轉てんじて、幼兒をさなごの如ごとくならずば、天てん國こくに入いるを得えず。 4 故ゆゑに此この幼兒をさなごの如ごとく自みづから謙へりくだらん者ものは、是これ天てん國こくに於おいて大おほいなる者ものなり。 5 又また我わが名なに因よりて、是かくの如ごとき幼兒をさなごの一人ひとりを接うけん者ものは、我われを接うくるなり。 6 然しかれども我われを信しんずる此この小ちひさ子この一人ひとりを罪つみに誘いざなはん者ものは、寧むしろ磨石ひきうすを其その頚くびに懸かけられて、海うみの深處ふかみに沈しづめられん。 7 世よは誘惑いざなひに由よりて禍わざはひなる哉かな、蓋けだし誘惑いざなひは來きたらざるに可べからず、但誘惑いざなひを來きたす人ひとは禍わざはひなる哉かな。 8 若もし爾なんぢの手て、或あるひは爾なんぢの足あし爾なんぢを罪つみに誘いざなはば、斷たちて之これを棄すてよ、爾なんぢの爲ためには、跛あしなへ或あるひは殘缺かたはにして生命いのちに入いるは、兩ふたつの手て兩ふたつの足あしありて永遠えいゑんの火ひに投とうぜらるるより勝まされり。 9 又また若もし爾なんぢの目め爾なんぢを罪つみに誘いざなはば、抉くじりて之これを棄すてよ、爾なんぢの爲ためには、一ひとつの目めありて生命いのちに入いるは、兩ふたつの目めありて火ひの地獄ゲエンナに投とうぜらるるより勝まされり。 10 愼つつしみて、此この小ちひさ子この一人ひとりをも輕かろんずる勿なかれ、蓋けだし我われ爾なんぢに語つぐ、彼かれ等らの天てん使し等らは天てんに於おいて常つねに我わが天てんの父ちちの顏かんばせを覲みる。 11 蓋けだし人ひとの子こは亡ほろびし者ものを尋たづねて救すくはん爲ために來きたれり。 12 爾なんぢ等ら如何いかに意おもふか、人ひと若もし百ひゃく匹ひきの羊ひつじあらんに、其その一いつ迷まよはば、九きう十じふ九きうを山やまに遺のこし、往ゆきて、迷まよへる者ものを訪たづねざるか。 13 若もし之これを獲えば、我われ誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、彼かれが其その羊ひつじの爲ために喜よろこぶこと、迷まよはざりし九きう十じふ九きうの者ものより勝まされり。 14 斯かく此この小せう子しの一人ひとりの亡ほろぶるは、爾なんぢ等らが天てんの父ちちの旨むねに非あらず。 15 若もし爾なんぢの兄けい弟てい爾なんぢに罪つみを得えば、往ゆきて、爾なんぢと彼かれと獨ひとり處をる時ときに之これを諫いさめよ、若もし爾なんぢに聽きかば、爾なんぢの兄弟けいていを獲えたるなり。 16 若もし聽きかずば、一人ひとり或あるひは二人ふたりを伴ともなひ、往ゆきて、二に三さん證しょう者しゃの口くちを以もって、凡およその言ことばを定さだむるを致いたせ。 17 若もし彼かれ等らに聽きかずば、教けう會くわいに告つげよ、若もし教けう會くわいにも聽きかずば、爾なんぢの爲ためには異い邦はう人じんと稅ぜい吏りとの如ごとくなるべし。 18 我われ誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、凡およそ爾なんぢ等らが地ちに縛しばる者ものは、天てんにも縛しばられ、爾なんぢ等らが地ちに釋とく者ものは、天てんにも釋とかれん。 19 又また誠まことに爾なんぢ等らに語つぐ、若もし爾なんぢ等らの中うち二人ふたり地ちに於おいて心こころを合あはせて、凡およその事ことを求もとめば、何なにを求もとむるに論ろんなく、天てんに在います我わが父ちちより彼かれ等らに賜たまはらん。 20 蓋けだし二人ふたり或あるひは三さん人にんの我わが名なに因よりて集あつまる處ところには、我われも其その中うちに在あるなり。 21 其その時ときペトル彼かれに就つきて曰いへり、主しゅよ、我わが兄けい弟てい我われに罪つみを得えば、幾次いくたび之これに免ゆるすべきか、七次ななたび迄までか。 22 イイスス彼かれに謂いふ、我われ爾なんぢに七次ななたび迄までと言いはず、乃すなはち七しち十じふ次たびの七しち倍ばい迄まで。 23 是この故ゆゑに天てん國こくは、其その諸しょ僕ぼくと會くわい計けいせしを欲ほっせし君くん王わうに似にたり。 24 會くわい計けいを始はじめし時とき、一いつ千せん萬まん金きんの債おひめある者ものは彼かれに曳ひき來きたれるあり。 25 其その償つぐなふこと能あたはざるに因よりて、主しゅは彼かれの身みと、其その妻さい子しと、其その悉ことごとくの所しょ有いうとを販ひさぎて、償つぐなはんことを命めいぜり。 26 其その僕ぼく俯ふ伏ふくして、彼かれを拜はいして曰いへり、主しゅよ、我われを寬ゆるうせよ、我われ盡ことごとく爾なんぢに償つぐなはん。 27 其その僕ぼくの主しゅは憐あはれみて、彼かれを釋はなち、彼かれに債おひめを免ゆるせり。 28 其その僕ぼく出いでて、一人ひとりの同僚ともの、己おのれに銀ぎん一いっ百ぴゃくの債おひめある者ものに遇あひて、之これを執とへ、喉のんどを扼しめて曰いへり、爾なんぢが負おふ所ところを我われに償つぐなへ。 29 其その同僚とも彼かれの足そく下かに俯ふ伏ふくして、求もとめて曰いへり、我われを寬ゆるうせよ、我われ盡ことごとく爾なんぢに償つぐなはん。 30 然しかれども、彼かれ肯うけがはず、乃すなはち往ゆきて、其その債おひめを償つぐなふに至いたるまで、之これを獄ひとやに下くだせり。 31 佗たの同僚とも之これを見みて、甚はなはだ憂うれひ、來きたりて有ありし處ところを悉ことごとく主しゅに告つげたり。 32 其その時とき主しゅは彼かれを召めして曰いはく、惡あしき僕ぼくよ、爾なんぢ我われに求もとめしに因よりて、我われ其その債おひめを悉ことごとく爾なんぢに免ゆるせり、 33 我わが爾なんぢを憐あはれみし如ごとく、爾なんぢも亦また爾なんぢの同僚ともを憐あはれむべきに非あらずや。 34 主しゅ乃すなはち怒いかりて、其その悉ことごとくの債おひめを償つぐなふに至いたるまで、彼かれを獄ごく吏りに付わたせり。 35 若もし爾なんぢ等ら各おのおの其その心こころより己おのれの兄弟けいていに其その罪つみを免ゆるさずば、我わが天てんの父ちちも亦また斯かくの如ごとく爾なんぢ等らに行おこなはん。