26_02

第15章 (ヨハネ聖福音書)

  第三款 グッセマニに往く途中の談話。

1 我われは眞しんの葡ぶ萄だう樹のきにして、我わが父ちちは栽さい培ばい者しゃなり、 2 我われに在ある枝えだの果みを結むすばざる者ものは、父ちち悉ことごとく之これを伐きり去さり、果みを結むすぶ者ものは、尚なほ多おほく果みを結むすばしめん爲ために、悉ことごとく之これを切きり透すかし給たまふべし。 3 我わが汝なんぢ等らに語かたりたる言ことばに由よりて汝なんぢ等らは旣すでに潔きよきなり。 4 我われに止とどまれ、我われも亦また汝なんぢ等らに止とどまるべし。枝えだが葡ぶ萄だう樹のきに止とどまるに非あらずば自みづから果みを結むすぶこと能あたはざる如ごとく、汝なんぢ等らも我われに止とどまるに非あらずば能あたはじ。 5 我われは葡ぶ萄だう樹のきにして汝なんぢ等らは枝えだなり、我われに止とどまり我わが之これに止とどまる人ひと、是これ多おほくの果みを結むすぶ者ものなり、蓋けだし我われを離はなれては、汝なんぢ等ら何なに事ごとをも爲なす能あたはず。 6 人ひと若もし我われに止とどまらずば枝えだの如ごとく棄すてられて枯かれ、然さて拾ひろはれ、火ひに投なげ入いれられて焚やけん。 7 汝なんぢ等ら若もし我われに止とどまり、我わが言ことば汝なんぢ等らに止とどまらば、欲ほっする所ところを願ねがはんに叶かなへらるべし。 8 我わが父ちちの據よりて以もって光くわう榮えいを得え給たまふは、汝なんぢ等らが夥おびただしき果みを結むすびて我わが弟子でしと成ならん事こと是これなり。 9 父ちちの我われを愛あいし給たまへ如ごとく、我われも亦また汝なんぢ等らを愛あいせり、汝なんぢ等ら我わが愛あいに止とどまれ。 10 若もし我わが命めいを守まもらば汝なんぢ等ら我わが愛あいに止とどまる事こと、我われも我わが父ちちの命めいを守まもりて其その愛あいに止とどまるが如ごとくなるべし。 11 是これ等らの事ことを汝なんぢ等らに語かたれるは、我わが喜よろこび汝なんぢ等らの衷うちに在ありて、汝なんぢ等らが喜よろこびの全まったうせられん爲ためなり。
12 汝なんぢ等ら相あひ愛あいすること、我わが汝なんぢ等らを愛あいせしが如ごとくせよ、是これ我わが命めいなり。 13 誰たれも其その友ともの爲ために生命せいめいを棄すつるより大おほいなる愛あいを有もてる者ものはあらず。 14 汝なんぢ等ら若もし我わが命めいずる所ところを行おこなはば是これ我わが友ともなり。 15 我われ最も早はや汝なんぢ等らを僕しもべと呼よばじ、僕しもべは其その主しゅの爲なす所ところを知しらざればなり。然さて我われは汝なんぢ等らを友ともと呼よべり、是これ總すべて我わが父ちちより聞ききし事ことを悉ことごとく汝なんぢ等らに知しらせたればなり。 16 汝なんぢ等らが我われを選えらみたるに非あらず、我われこそ汝なんぢ等らを選えらみて立たてたるなれ、是これ汝なんぢ等らが往ゆきて果みを結むすび其その果み永ながく存そんして、我わが名なによりて父ちちに何なに事ごとを願ねがふも、父ちちが汝なんぢ等らに之これを賜たまはん爲ためなり。 17 我わが斯かく汝なんぢ等らに命めいずるは、汝なんぢ等らが相あひ愛あいせん爲ためなり。 18 世よ若もし汝なんぢ等らを憎にくまば、汝なんぢ等らより先さきに我われを憎にくめりと知しれ。 19 汝なんぢ等ら世よのものなりしならば、世よは己おのがものとして愛あいせしならん、然されども、世よのものに非あらずして、我わが世よより選えらみ出いだせる汝なんぢ等らなれば、世よは汝なんぢ等らを憎にくむなり。 20 僕しもべは其その主しゅより大おほいならず、と我わが曾かつて汝なんぢ等らに語かたりしを記き憶おくせよ、人ひと我われを迫はく害がいしたれば、亦また汝なんぢ等らをも迫はく害がいせん、我わが言ことばを守まもりたれば、亦また汝なんぢ等らの言ことばをも守まもらん、 21 然しかれども此この凡すべての事ことは、彼かれ等ら我わが名なの爲ために之これを汝なんぢ等らに爲なさん、是これ我われを遣つかはし給たまひし者ものを知しらざる故ゆゑなり。 22 若もし我わが來きたりて彼かれ等らに告つぐる事ことなかりせば、彼かれ等ら罪つみなかりしならん。然されど今いまは其その罪つみを推かこ諉つくるに所ところなし。 23 我われを憎にくむ人ひとは我わが父ちちをも憎にくむなり、 24 若もし我われ彼かれ等らの中うちに在ありて、何なに人ぴとも曾かつて爲なさざりし業わざを行おこなはざりせば、彼かれ等ら罪つみなかりしならん。然されど今いまは現あらはに之これを眼め前まへに見みて而しかも我われと我わが父ちちとを憎にくみたるなり。 25 但ただし是これ彼かれ等らの律法りっぱうに錄かきしるして「彼かれ等ら謂いはれなく我われを憎にくめり」とある言ことばの成じゃう就じゅせん爲ためなり。 26 斯かくて父ちちの許もとより我わが遣つかはさんとする辯べん護ご者しゃ、即すなはち父ちちより出いづる眞しん理りの靈れい來きたらば、我われに就つきて證しょう明めいを爲なし給たまはん、 27 汝なんぢ等らも初はじめより我われに伴ともなへるに由よりて亦また證しょう明めいを爲なさん。